2016年9月14日水曜日

スーサイド・スクアッド


<あらすじ>
バットマンをはじめとするヒーローたちによって投獄され、
死刑や終身刑となった悪党たちが、
減刑と引き換えに「スーサイド・スクワッド(自殺部隊)」
の結成を強制され、危険なミッションに挑む。
映画.comより)

スタイリッシュでかっこいい予告編を
初めて見たときから、これは絶対オモシロいやつ!
今年公開のアメコミ映画で一番期待していた作品。
しかし、その期待が木っ端微塵に打ち砕かれてしまった …
あまりに期待が高まりすぎていたのか、
完全に食い足りなかったです 。
部分的に好きな部分はあるとはいえ、
全体的な出来は良くないと言わざるを得ない。
次のDCはワンダーウーマンらしいので、
そっちに期待するしかないのかなぁ。。。

※ここからは盛大にネタバレして書きます。

悪い奴らが徒党を組んで更に悪い奴らと戦う。
これは映画が好きな人は無条件に興奮する設定だと思います。
古くは特攻大作戦から始まり、
最近であればDCのライバル会社MARVELが産み出した、
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーなど。
いずれの作品も僕は大好きなんですが、
今回の作品では最初の設定のところで、
僕は乗り切れなくなってそのまま終わってしまった感じです。
ロジックとしては彼らは超極悪犯で脱走する可能性があるため、
首にナノ爆弾を仕込み逃走したやつは爆破するというもの。
文字にすると納得できるんですが、
実際の映画を見ると囚人という弱者を
強者が暴力でコントロールしているようにしか見えなくて、
とても不快な気持ちになるんですよね。
前半でスクアッドの面々を紹介するパートがあるんですが、
ここで彼らがいかに残虐な人間なのかという表現が、
あまりにも弱いことが原因だと思います。
暴力的にコントロールしなければならない理由の部分を
言葉で説明して画で見せてくれないんですよねー
(紹介時に見せてくれる格ゲー風な演出は好きだったんですが)
これはアメコミリテラシーに関わる部分だと思うんですが、
メインのキャラクターをウィル・スミス演じる
デッドショットに据えたことも
本作を好きになれなかった理由の1つだと思います。
狙撃の名手という肩書きはオモシロいんですが、
いかんせん感情移入しにくいというか、、、
ウィル・スミス=親子物語という紋切型の方程式を
ここぞとばかりに導入しているんですが、
それが見事に滑っていて見ていて
「どうでもいい 〜」という気持ちがフツフツと湧いてくる。
子どものために更生するんだという話でもなく、
かといって悪に振り切っているのかといえば、
一番理性があるキャラクターになってたりして中途半端。
僕が好きだったのはショーウィンドウの
親子マネキンをもの哀しげな目で見るシーンぐらいでした。
スーパーマンから始まる近年のDCコミック映画において、
僕が一番納得できないのがパワーバランスの作り。
「こんなの勝てないし人類即滅亡するやろ!」
という敵ばかりが出てきて、
最終的に浅〜いロジックで主人公側が勝つというのは
納得もできないし正直見飽きました。
アクションもチャカチャカ系で見にくいし、
ザック・スナイダー直伝のスロモの使い方も、
もしかすると一番ダサく見える時代なのかもしれません。
さんざん文句垂れてきましたが、
何が良かったかといえば、
マーゴット・ロビー演じる、ハーレイ・クイーンと
ジャレッド・レト演じるジョーカーを巡る話。
彼らの物語はサイドストーリーなんですが、
狂った愛情という意味で見応えがありました。
またヴィジュアルありきとはいえ、
ジョーカーの部屋でのクレーンショットや、
蝋のタンク(?)に飛び込むシーンがカッコ良かった!
ジャレッド・レトのジョーカーぐらい、
他のメンバーも「ヤバいやつ」と観客に思わさせる
演出が必要だったと思います。
あと好きだったのは音楽の使い方です。
ヒップホップ、ロックを中心として、
それこそGOG意識してるんかな?というくらい
多くの曲を大胆に使っていて良かったです。
特にEMINEMのWITHOUT MEが流れた時は
超久々に聞いたのでブチ上がりました!
監督、脚本はデビッド・エアーで
警察もの傑作が多い彼だから期待していたし、
過去作は好きな作品が多かっただけに
ひたすらに残念な気持ちです。次作頑張ってくれ!

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