2016年9月5日月曜日

MEET THE FILMMAKER

第一線で活躍する映画監督の話を
直接聞くことができるMEET THE FILM MAKER
というAppleが主宰のイベントに行ってきました。
昼休みにネットサーフィンしてたら、
たまたま見かけて、東京のこういうイベントって
席取れないよなーと思っていたら、
運よく予約できたので2日連続で参加。
1日目は黒沢清監督と浅野忠信さん、
2日目は西川美和監督とプロデューサーである、
バンダイビジュアルの西川朝子さん、分福の北原栄治さん。
両監督ともに日本の監督の中で、
とくに好きな方たちなので期待していましたが、
生で話が聞けてとても楽しかったです。
1日目と2日目で共通していたのは、
日本でオリジナル映画作品を撮ることの難しさの話。
漫画や小説の原作の映画化が跋扈する時代においては、
映画オリジナルのストーリーで撮ることが難しい。
そんな中でも自分の表現したいものを
能動的に獲得しようとする姿勢がカッコよく見えました。

DAY1




黒沢監督の次の作品はフランス製作の映画で、
俳優もフランス人なので見た目は完全にフランス映画。



長年温めてきた脚本らしく日本で撮れない中、
巡り合わせでフランスで製作されることになったそう。
「宣伝の関係で言いにくいですが、ホラーです!」
と言い切ったときには会場が笑いに包まれてました。
僕が一番なるほどな〜と思ったのは、
映画という言語は世界共通であるという話。
映画は世界中で同じフォーマットなので、
ドメスティックでも構わなくて、
突き詰めれば世界に通用するものになると。
最近のKOHHの活躍はその最たる例ですよね。
(Frank Oceanの最新作への参加はさすがにたまげた)
浅野忠信さんはひたすら男前でした。トークも見た目も。
次に出演する淵に立つ人は監督が好きな深田晃司さんで、
相当オモシロそうだったので今からとても楽しみです。



DAY2



西川監督自身が書いた永い言い訳が、
本当に素晴らしい小説で大好きなんですが、
やっと映画がこの10月に公開されます。



前日が志のような抽象的な話が多かった中で、
超具体的な話のオンパレード。
とくに映画を作る際のお金の話が中心でした。
必要な金額やお金の流れまでプロデューサーの、
西川朝子さんと北原栄治さんが丁寧に説明していました。
映画ファンの間で悪名高い製作委員会についても、
分かったような気でいましたが、
実際に仕事されている人の話を聞くと、
そりゃビジネスだもんなーと納得。
オリジナル作品が撮りにくい時代において、
西川監督はこれまですべてオリジナル脚本の作品。
1つの会社と良好な関係を継続的に作っていくことで、
自分の立ち位置を確保するのも、
1つの手段なんだなーと思いましたし、
彼女の師匠である是枝監督も
オリジナル作品へのこだわりを見せている方なので、
早くミシマ社から出てる是枝監督の本読まなきゃ!
永い言い訳にまつわる話はどれも大変興味深く、
四季を作品内に盛り込むために撮影が1年に渡った点、
主役に本木さんに決めてから、
初めて監督とプロデューサーが会った時の話、
初めて向き合った子役演出の難しさなどなど、
早く見たい!という気持ちになりました。
一番オモシロかったのは映倫のR指定の基準の話で、
うろ覚えなんですが、
男のお尻の割れ目が映った状態で
3回半腰が上下するとR指定になっちゃうらしい!
あとポスターのメインヴィジュアルの話も興味深くて、
どれも似たようなものばっかりだけど、
このヴィジュアルは作品内には出てこないカットで、
写真家の上田義彦さんの撮り下ろしとのこと。


以下のとおり、トークセッションの内容は記事になっていますし、
後日AppleのPodcastで公開されるそうなので、
興味ある人は聞いてみてください。

DAY1
黒沢清と浅野忠信が明かす、
ハリウッドやフランスの映画制作舞台裏

DAY2
本木雅弘の起用は是枝裕和の助言から、
西川美和「永い言い訳」の配役に自信見せる

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