2016年1月10日日曜日

ミッション・インポッシブル論

昨年見逃した作品の中で心残りなのが、
ミッション・インポッシブル ローグネーション。
なぜ見に行かなかったといえば、
過去作を見たことが無かったからです。
しかし、ローグネーションを見ないと
生きている価値はほとんどないぐらいのことを
言われたので一念発起してシリーズ全部見ました!
各作品について、ざっと書いてみました。





ブライアン・デ・パルマ監督。
これが1作目ということで、
TVシリーズの要素をどれだけ引用してくるのか、
そこを注目しつつ見ていました。
さすがデ・パルマ!と言いたくなるくらい、
骨組みから解体していてました。
つまり、クルーものとして互いに協力し合う部分を排除し、
クルー内での疑いの暴き合いへと姿を変えた訳です。
一体誰を信じていいか分からないという、
サスペンス要素は増強されていますし、
1作目から今やうたい文句とも言える
無茶苦茶なアクションをぶち込んでいるので、
見ていて飽きることはなく楽しかったです。
ただ、スパイ大作戦の役者陣が本作を見て
激怒したという情報を見て少し寂しくはなりました…





ジョン・ウー監督。
僕がMIシリーズ見る前のぼんやりとした
つまらないイメージは本作に引っ張られていたのか、
ということに気付きました。
シリーズの中で一番好きじゃないです。
ダサいアクションシーンが多いのが最大の問題点。
終盤でのバイクでの戦いからの、
もろに中国アクションな徒手空拳のラストまで、
材料自体はオモシロいと思います。
(冒頭のイーサンのロッククライミングが無意味で好き)
けれど無駄にスローを多用し、
しかも、それを繰り返すクドさも相まって見てて疲れました。





今をときめくJJエイブラムス監督
これは完全に原点回帰!といった趣きで
完全にチーム戦になってるし、
元の音楽をアレンジ変えて使ったりしててナイス。
本作の魅力は何と言っても
フィリップ・シーモア・ホフマン!
クライマックスを先に見せて、
その経過を映画内で確認していく作りなんですが、
冷酷無比さが度を超えてて素晴らしかったですし、
まさにぶれない漢、The Man.
シリーズを繋ぐ色恋要素を本作で投入してる訳ですが、
守るものができるゆえにイーサンの無敵化インフレの
ストッパーになっているのも良かったと思います。

4 ゴースト・プロトコル



引き続き、JJは製作に携わりつつのブラッド・バード監督。
サイモン・ペッグ演じるベンジーが本格的にフォーカスされ、
さらにジェレミー・レナーがエージェントとして活躍、
といった俳優の魅力に溢れている作品だと思います。
また物語のスケールは過去最大で、
ロシア、バチカン、ドバイ、インドと
世界中をIMFチームが駆け回るのが楽しかったですね。
ロシアとドバイのシーンが好きで、
とくにドバイでのビル登りシークエンスは最高最高!
なりすまし作戦はドラッグ・ウォーに似てるけど、
カット割りがこちらの方がスマートでした。
(つまんなくまとまっているとも言えるかも…)
ラストの立体駐車場でのどつき合いも必見。

5 ローグ・ネーション



アウトローでトムと意気投合した、
クリストファー・マッカリー監督。
前作同様JJが製作に参加していて、
ブルーレイに入っているメイキングで、
本作を「ベストアルバム的な作品」だと評していました。
確かに過去作の様々な要素を取り込んでいますが、
それをさらにアップデートしていると思います。
何よりも本作のアクションはぶっちぎりでヤバ過ぎる!
予告編でしこたま見た飛行機ぶら下がりシーンしかり、
水中探索シーン、バイクチェイス&カーチェイスとてんこ盛り。
なんで映画館で見なかったのか、、、と心底悔やみました。
上記アクションはブルーレイにメイキングが入っているので、
是非見て欲しいです。トム=イーサンであり、
いかに彼がCrazyで最高な役者か分かると思います。

大元であるTVシリーズのスパイ大作戦は子どもの頃に
父親が録画したものを毎週見ていましたが、
作品ごとに監督が変わるがゆえに
それぞれの色があって同じシリーズで似たような内容でも
描き方が全く異なるので、とても楽しかったです。
時代の流れとしてメタ視点での分析的な描き方よりも
ど真ん中直球のベタ、大ボケのトムのアクションが
観客の胸を打つのだろうなぁと思いました。

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