2015年1月17日土曜日

神は死んだのか



一度予告編を見てオモシロそーと思っていたものの、
スルーていたところ友人に誘われたので見てきました。
予告編を見た限りは有神論vs無神論という、
答えの出ない「神」の存在を巡る話だと思っていました。
しかし蓋を開けてみれば、
ただのキリスト教のプロバガンダ映画やないか!
って感じでとても残念な映画でした…
宗教を信仰すること自体を否定する訳ではありません。
ただ信仰と人類の起源、進化論を含めた神の存在は
全く別の問題だと個人的に考えています。
しかも、本作は単純にキリスト教が素晴らしい!
というものではなく、神を信じない人や
キリスト教以外を信仰する人はだいたい不幸です。
みたいな論調だから余計に腹が立つ。
先日のフランスのテロ事件も
表現の自由は守られてしかるべきなんだけど、
テロリストがイスラム教徒ということによって、
宗教問題にすり替わっていたりする訳です。
安易な二元論や絶対的なものがない今の世の中で、
多数派のキリスト教徒を絶対正義として描く気持ち悪さ。
見終わったあとの倦怠感と怒りは、
忘れられない体験となりました。

主人公は大学に入ったばかりの青年。
哲学専攻で授業を取ったところ、
ある教授が授業の前に「God is deadと書け」
と強制してきます。
敬虔なクリスチャンである主人公は
無神論者の教授と正面から対立。
そこで教授から「神の存在を証明してみろや」
彼はそのプレゼンを授業で実施することになり…という話。
前半は教授に立ち向かう青年という構図が楽しい。
「おいおいホーキングの論文も読んでへんのかよー」
っていうイジリ方が理系としてはアガるポイント。
あと仲の良い彼女に反対されるにも関わらず、
「僕は証明したいんや!」と譲らず、
結果的に別れるくだりが好きでした。
この青年の話がメインストーリーであって、
その他に複数のエピソードが展開されます。
突然ガンを宣告される女性記者、
親がイスラムなんだけど自身はキリスト教信者である
隠れキリシタンの女性、
レンタカーを巡って神について語る牧師2人、
教授の奥さんでキリスト教信者の奥さんなど。
あれ?と思い始めるのが、2回目の授業。
教授の科学的論法を逆手に取り、
言いくるめる姿はオモシロいんだけど、
ここで言及されているのは進化論の話で、
あぁ…神が創造主という論理が受け入れられない
と色々考えていたら、どんどんプロバガンダな展開へ。
本当嫌だなーと思ったのは、隠れキリシタンのくだり。
確かに信仰の自由は保証されてしかるべきだけど、
スカーフの件や親にバレたときのいざこざとか、
バイアスがかかっているんですよねー
このキリスト教を信じてないと
辛い目にあいますよ系エピソードの最たる例が、
無神論 者の教授が迎える末路。
百歩譲ってその末路を許したとしても、
その後の展開は完全に恫喝の領域ですよね。
「お前信じるんか?あぁん?!」っていう。
最後はミッション系バンドのライブで、
God's not dead!! He's surely alive!! と皆で大団円。
ある種の大ボケとしてメタで見ればオモシロいんだけど、
僕はジーザス・キャンプという映画をオススメします。
そして、7年前に読んだリチャード・ドーキンスの
「神は妄想である」をこれから再読しようと思います!

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