2017年5月20日土曜日

スプリット



シャマラン最新作ということで見ました。
前作のヴィジットが相当好きだったので、
期待していましたがスリラーとしてのエンタメ性と
シャマラン独特のニュアンスがあいまって楽しかったです。

※ここから盛大にネタバレして書きます。

モールのレストランらしきところで、
女の子たちで誕生日会を開いているシーンから始まるんですが、
そこで1人ものうげな表情を浮かべる女の子がいて非常に意味深。
最後まで見ると彼女の表情の理由が分かる作りになってました。
誕生日会の主役の女の子の父親に
皆で家に送ってもらうことになり駐車場へ行くんですが、
そこで車を乗っ取られ女子高生3人が誘拐されてしまいます。
この犯人が今回の主役で、ジェームス・マカボイ演じるケビン。
マカボイは好きな俳優の1人で、
フィルス、トランスといった近年の出演作はなるべく見てますし、
なんといっても個人的恋愛映画クラシック、
ラブストーリーズは大好きでDVDまで買いました。
本作で彼が演じるのは多重人格者。
冒頭でシャツをズボンにイン、ボタンを1番上まで止めて、
几帳面のヤバいヤツとして登場。
猟奇犯vs女子高生かーという浅はかな見通しを
ぶち壊すのがシャマランスタイル。
ケビンが先ほどと服装も変わり、
明らかに別の人格として登場する。
彼の担当医であるフレッチャーとのエピソードから
彼が多重人格者であることが明らかになり、
計23の人格を有していて、その中での争いも描かれます。
とにかくマカボイの演技力に度肝抜かれました。。
(会社の先輩と話していたときに、
ガキ使の七変化という例えが出て笑ってしまったけど)
本当に同じ人と思えないというか、
役者って凄いなぁと単純に思いました。
性別、年齢を超えた様々な人間が矢継ぎ早に出てきて、
それぞれが女子高生3人と対峙。
彼女たちは何とか隙のある人格を見つけ出して、
軟禁状態からエスケープしようとします。
バレる/バレないサスペンスに加えて、
ケビンの人格がどの状態なのか?という要素もあるので、
スリリングさが増す作りになっていました。
あと本当かどうかは分からないんですが、
多重人格者のフィジカルの変化も興味深くて、
人格だけではなく体質も変化するのであるという話が展開
それが最後に登場する
ビーストという24番目の人格に繋がっていく流れ。
基本マカボイの話ではあるものの、
冒頭でものうげな表情をしていた少女の話でもある。
少女の抱えるショッキングなトラウマが、
物語が進むにつれて明らかになっていきます。
(おじさんとの動物ごっこ…)
24番目の人格であるビーストが終盤についに登場!
上裸のマカボイが夜の街を走り抜けるシーンが最高だし、
我が家へ辿り着くやいなや生け贄の女子高生たちに
むさぼりつくという悪夢的光景。
そしてラストの主人公との戦いは
前述したトラウマのくだりが効いてきて、
痛みを巡る話へと帰結していく。
人と違うことが生きにくさと直結してしまうことに対する、
シャマランが物語を通じて風穴を空けたい気持ちなのかなー
と見終わってから考えたりしました。
エンディングで、シャマランの過去作の
アンブレイカブルとの繋がりが示唆され、
次の作品はアンブレイカブルと本作が絡み合うっぽいので、
早急にアンブレイカブル復習したいです。

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