2017年5月14日日曜日

13の理由



あなたは死にたいと思ったことがありますか?
なーんてショッキングなイントロで語りたくもなる、
素晴らしいドラマでした。
原作はヤングアダルト小説で、
セレーナ・ゴメスがプロデューサーとして尽力→リンク
SNS、メールを含めスマートフォンが
社会のインフラ化して久しいですが、
僕が常日頃思うのは中高生のときになくて良かったということ。
あの頃、僕達を支配していたのは恋の話や噂話であり、
それらをいかに知っているかという情報の争奪戦
といった側面があったことは否めないと思います。
動画、写真が瞬時に拡散することは、
情報争奪戦との親和性が非常に高い訳です。
この部分を巧みな構成、迫真の演技とともに
徹底的に突いていくところがめちゃオモシロかったです。
あらすじとしては主人公である女子高生のハンナが自殺し、
彼女が自殺直前にその決断に至るまでの経緯を
7本のテープに録音して残します。
(片面1話で合計13のエピソードです)
そのテープをハンナのことが好きだったクレイという
もう1人の主人公が聞いて、
彼女が自殺に追い込まれるまでをトレースしていく。
ドラマにおいて自殺が描かれる場合、
1つの要因(たとえばイジメ)によって
死に至ったと描かれることが多いと思います。
確かに自殺への決定打は存在するものの、
その手前の段階で他人からの拒絶が積み重なっている。
本作は連続ドラマであるという利点を生かして、
この点をとても丁寧に描いていました。
ジョックス(体育会系)が支配する、
アメリカのスクールカーストの中で
サバイブすることの大変さが伝わってくるし、
日本の学校/会社でも当てはまることは多い。
しかも、クレイは完全ナードともいえない
中間層なので見る側も世界観に入りやすくなっていました。
周りのキャラ立ちも素晴らしくて、
ハンナの自殺に対して己がどういうポジションを取るのか、
それぞれの葛藤が見てて辛い、ゆえにオモシロいわけです。
先日見たスウィート17モンスターも
似た題材だったわけですが、
誰か1人でも寄り添う人がいれば、
この世界も捨てたもんじゃないと気づくことができる。
道徳が教科となるような悪夢的社会が訪れていますが、
そんなことする暇あったら本作を見て、
大人たちがティーンエイジャー達の気持ちに
少しでも寄り添ってあげたらいいのにね。

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