2017年5月21日日曜日

カフェ・ソサエティ



<あらすじ>
映画業界で働くことを夢見る
ニューヨーク生まれの青年ボビーは、
業界の有力者である叔父フィルを頼って
ハリウッドにやってくる。
フィルの秘書を務める美女ヴォニーに
心を奪われたボビーは、
映画スターやセレブリティを相手に、
フィルの下で働きながらヴォニーと親密になっていくが、
彼女には思いがけない恋人の存在があった。
映画.comより)

ウディ・アレン監督最新作。
過去作は全然追いきれていませんが、
新作が公開されれば必ず見るようにしてます。
特に今回はジェシー・アイゼンバーグと
クリステン・スチュワートという最高の組み合わせが
ウディ・アレン監督とどんなケミストリーが
起こるのか楽しみにしていました。
結果として皮肉さは薄まりつつも、
遠い目をしたくなるラブストーリーとして
オモシロかったです。

※ここからは盛大にネタバレして書きます。

1930年代のハリウッドとNYが舞台になっていて、
前半ハリウッド、後半NYという構成になっています。
主人公のボビーは有名になりたくて
ハリウッドでエージェントを務める叔父の元で
下働きを始めることになります。
1人も知り合いがいない彼にとって、
ヴォニーは友人であり、愛する女性となっていく。
その手前でデリヘル呼ぶところが最高にオモシロくて、
呼ばれた女性とボビーの双方が自己嫌悪に陥って、
まったく話が噛み合わない。
アイゼンバーグの早口とウディ・アレンの会話劇は
すこぶる相性が良いことを序盤から見せつけてくれます。
ジェシー×クリステンの組み合わせが最高だと
前述したのは僕の人生トップ10に入る、
「アドベンチャーランドへようこそ」という映画で
主役を担ったのも、この2人だからです。
(以前にエージェント・ウルトラという映画でも、
このコンビが主役だったんですが、
そちらは残念な仕上がりでした…)
今回も2人のタッグの眩しさは健在で、
デートしている姿の甘酸指数が相当高かったです。
お互い好きな気持ちはあるのだけれど、
自分たちの周りの環境に押し流されて、
それぞれが別の道を歩み始める。
何が切ないってヴォニーが選ぶ相手が
自分より金も地位も持っている叔父さんというところ。
血も涙もないですね、世間というのは。
Cash Rules Everything Around Me!!
(ヴォニーはお金じゃなくて、
叔父さんのことが好きだったんだよ!
という反論は受け付けていません。)
失意の青年ボビーは地元NYへ戻り、
兄が経営するナイトクラブの手伝いを始めることに。
ハリウッドで身につけた社交力のおかげか、
彼は繁盛店を仕切るオーナーとなり、
そこで奥さんを見つけて幸せな生活を手にします。
この間にお兄さんを巡るトラブルのエピソードも
投げ込まれているんですが、特に必要なかったかな…
ボビーはNYで成功し街の有力者たちが集う
ナイトクラブを作り上げ、そこへヴォニーが叔父さんとやってくる。
ここでのボビーのリアクションと、
ヴォニーのリアクションのギャップがオモシロかったなー
たとえヴォニーがかつて嫌悪していた
ハリウッドにいた噂好きのセレブとなっていたとしても、
美化されたあの思い出を忘れることはできず、
儚い夢を見続ける、これが男の性。
それに呼応するヴォニー。
2人が違う場所で年越しを迎えながら、
お互いを思い合うシーンは余計なセリフなく、
2人の顔で描いていくラストは素晴らしかったです。
ストーリーの骨格はラ・ラ・ランドと同じなんだけど、
味わいが全く異なることに映画のオモシロさも感じました。

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