2016年8月9日火曜日

サイモン・バーチ



マイメンのレコメンドにも関わらず、
しばらく放置してましたが、やっと見ました。
なんで放置してたかというと見た目が、
なんとなく「The 感動系」に見えたからです。
実際、その要素が強い部分もあるんですが、
最近興味を持っている「信仰」の話と、
見た目、肩書きと中身は必ずしも一致しない話に
終盤シフトしていくところがオモシロかったです。
タイトルのサイモン・バーチは人の名前で、
体が生まれつき小さいという障害を持った少年です。
この少年の描き方と境遇の設定がフレッシュ。
サイモンを排除するのが両親で、
受け入れるのは友人とその家族となっていて、
障害を持った人が描かれる定石とは逆になっているんですね。
ゆえにジョーとの絆がより深いものに見える作り。
肉親から邪魔者扱いされる人生の地獄っぷりは
察するに余りありますが、
彼は敬虔なキリスト教信者として
信仰の力で自らの存在を肯定し精一杯生きている。
God’s Planを信じ自分が小さく生まれたのは神の意思であると。
この考え方で救われる人生があるなら、
宗教は存在する意味あるよなと思う一方で、
その考えを押し付けてくるのが嫌なんだよなーと思ってたら、
ジョーの母親の死という形で、
その点も抜け目なく描いていましたね。
(ただ母親の死に方は納得しづらいものでした…)
あとはサイモンの描き方がかなりフラットな点も好感大。
障害を持つ人をまるで聖人君子として描かれることが多く、
それは逆差別なんじゃねーの?と思うこともあったりします。
本作で描かれるサイモンはどちらかといえば悪童であり、
とくに演劇での性欲爆発シーンは
本当の意味でフラットな描き方だなと思いました。
終盤はジョーの物語にフォーカスが当たるんですが、
ろくでもない神父のクズっぷりが
「Don’t Trust 大人!」な話でオモシロかったですし、
サイモンの命を賭した救出劇にホロリ。
思春期に見るとさらにグッときそうな作品でした。

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