2016年2月14日日曜日

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

東京タワー―オカンとボクと、時々、オトン (新潮文庫)

何を今更と思われる方も多いでしょうが、
1年前に購入し積読の闇の彼方にいたのを
先日発見しまして読んだ次第です。
今や俳優として大活躍しているリリーさんの私小説で、
リリーさんが生まれてから母親が亡くなるまでの、
2人の関係を描いたものです。
東京に来て丸4年を迎えようとしていますが、
この街で生活したからこそ分かる、
ある種の感覚の部分をビビッドに言葉で
浮き上がらせてくれていて、
「そうやねんなぁ」と頷きながら読んでました。
あとは何と言っても家族との関係ですよね。
空気のような当たり前の存在である両親が
実は有限なもので順当に行けば
自分よりも先に亡くなることは
誰だって考えれば分かることなんだけど、
いざそのときが来たときに後悔しないくらい、
親孝行できてるのか?と問われている気がしました。
終盤の「オカン」が最後を迎える場面、
また彼女の遺書には涙無しには読めず、
嗚咽レベルで号泣してしまいました…
上京論、家族論の最高峰なので、
人生の節目に読み返すかもしれません。

0 件のコメント: