2016年2月6日土曜日

青春と変態

青春と変態 (ちくま文庫)

Birthday Bunkoと呼ばれるものが流行っているらしく、
自分と同じ誕生日の著者が会田誠で、
本作がチョイスされていました。
名前は聞いたことありますし、
代表的な作品は見たことがあったので、
楽しみに読んだんですが、
まさしく青春と変態が混在する超オモシロい小説でした。
高校生の主人公が部活のサークル合宿に行き、
そこでの様子をリアルタイムで日記として
記録していたいという設定です。
前半は強烈な「変態」描写の連続で、主人公の性癖が覗き。
男女共用トイレに忍び込み、
女性が用を足すのを下から覗くっていうね。。。
おそらく本当に著者が行っていたのだろう、
と思わされるぐらい描写が妙にリアリスティック。
バレる/バレないのサスペンス要素が高くてオモシロかったです。
これを読んでいる時点で「覗きだなんて変態!」
と軽蔑している人もいると思います。
しかし、「覗く」ことに対する分析や、
思春期独特の自意識のあり方が描かれており、
自分ももしかしたら「変態」なのか?
と考えされたりする点は、
純文学とも通じる部分があって興味深かったです。
後半にかけては高校生ならではな甘酸っぱい青春が中心。
彼の内省的な性格もあいまって、
甘さと苦さが心地よく楽しめました。
大人になっても捨てきれない自意識と
向き合いたいときに読み返すことになりそうです。

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