2014年3月9日日曜日

ダラス・バイヤーズ・クラブ



祝!マコノヒー兄貴、アカデミー主演男優賞受賞!
ということで見てきました。
当ブログでも最近のマコノヒー兄貴の怪演っぷりを、
お伝えしてきましたが、ついにアカデミー!
実際に見てみると、それに十分値する熱演でした。
ハリウッドの役作りへの努力っぷりは凄まじく、
最近見た中だと、アメリカンハッスルのクリスチャン・ベイルや
トランスのジェームス・マカボイなどがありましたが、
彼らは足し算、つまりデブになった。
一方で、今回のマコノヒーは引き算。
しかも、もともとは超マッチョなのに、跡形も無くガリガリ。
この漢気でヤラれちゃいました。(もちろん話もとてもオモシロかった)

1985年のダラスで電気修理業をしつつ、
ロデオボーイとしても働いているマコノヒー
彼がHIV陽性となり、なんとか生きようとするため、
未承認の薬をアメリカに密輸入し、自分に使うだけではなく、
ダラス・バイヤーズ・クラブを設立し、
病気や既存のシステムと戦う話。
冒頭からアクセル全開で、死の危険性を伴うロデオと
マコノヒーのFuckシーンのカットバックで始まり、
濃厚な生死の臭いがプンプンする。
仕事で事故って病院で運ばれて、初めてHIV感染が発覚。
はじめはこの事実を受け入れられない。
(カウボーイが死ぬ訳無いだろうが!のくだりは最高)
死を受け入れられないマコノヒーは
ドラッグ、酒、女にこれまで以上に溺れていく。
特効薬として当時開発されたAZTも飲むが、
一向に体調は回復しないし、結局手に入れられなくなる。
そんな自暴自棄の生活の中で、メキシコ人の野良医師と出会い、
状況が好転。彼の処方するビタミン剤とペプチドTという薬で、
体調が良くなる。でもペプチドTはアメリカでは未承認。
それを持ち込んで、自分の延命もしつつ、商売を始める。
ダラス・バイヤーズ・クラブと呼び、
会費だけ徴収し、薬の金額は取らないSteelo。
そこでタッグを組むのが、ジャレッド・レト演じるレイヨン。
(助演男優賞は彼が受賞!)
彼はゲイでマコノヒーと同じくHIV感染者。
この2人のバディ映画としても見れて楽しかった。
何しろテーマとしては重くなりがちなんだけど、
マコノヒーの見せる茶目っ気に、逐一ヤラれちゃいました。
単なるエイズ題材の難病ものじゃないってところが大好き。
密輸入の際に絶対する様々なコスプレもそうだし、
HIVから救ってくれと祈るシーンがあって、
てっきり教会と思いきや、ストリップ小屋だったり。
日本も舞台になっていて、
出てくる人の名前が「山田」なのも親近感ビンビンw
当時エイズは同性愛者がなるものと考えられてて。
しかも1985年のダラスだなんて、超保守で差別ガンガン。
エイズ⇔ゲイという命題が成立してしまっているような社会。
マコノヒーも例に漏れず、ホモフォビアなんだけど、
クラブの活動を通じて、理解を示すようになる。
それが顕著なのが、スーパーでのシーンですよね〜あの痛快さたるや!
エイズという病気と徐々に向き合い始め、
ドンドン知恵をつけていくのも好きなポイント。
今はインターネットがあるから、いくらでも情報を入手できるけど、
当時にあれだけ情報を入手して、なんとか生きようとする姿は見てて、
心を打たれない訳が無い!
あと医師の葛藤も描かれていて、
システムと現実の狭間で苦しむ姿は色んなことに当てはまると思います。
マコノヒーと女医がディナーをともにするシーンは甘酸としても、
最高に愛おしいし、マコノヒーが大事にしていた
母の画を笑顔で彼女に託すところとか号泣メーン!
こういう「死」を正面から描いた映画を見るたびに、
今、自分が何となく生きてるなーと痛感する訳です。
「死」の存在が身近になった瞬間に
「生」に対して能動的になると言いますか。
「死なないために生きるのは生きてる気がしない」
という台詞がメチャクチャ沁みたな〜
この男の生きた人生を目撃する映画としてもオモシロいし、
その上笑えるんだから言うことなし!間違いなくクラシック!

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