2014年3月8日土曜日

早熟のアイオワ



クロエ・モレッツ×ジェニファー・ローレンス?!と聞きつけて。
クロエはキック・アス、ジェニファーはアメリカン・ハッスルと、
現在スクリーンで躍動している2人。
この映画はアメリカで2008年に公開された作品です。
つまり、2人がブレイクする直前の映画。
クロエはあくまで端役で、ジェニファーが主役。
1976年のアメリカ、アイオワが舞台で、
ジェニファーは14歳の中学生を演じています。
妹2人と母親と暮らしている。
母は売春婦で、しかも商売場所が自宅。
ゆえに彼女の家はpoker houseと呼ばれている(原題です)
ジェニファーの1人語りで始まるんですが、
前半人物関係の説明は少なく、わりとミニマルな作り。
貧困で、こういったタフな状況の中でも
ジェニファーは前向きに生きていて、
勉強、スポーツ、バイトに頑張っている。
でも、14歳の彼女に出自を変えることはできなくて、
母親の存在を含めて、家庭環境にウンザリ。
冒頭では朝起きたら、母親を買いにきた男はいるし、
勉強してたら、邪魔してくるし。
基本的にうわぁ…という描写が多い。
これを緩和するのが妹2人のシークエンス。
2人は自分たちがどういった状況に置かれているかを
認識していないから、かわいらしいシーンが多い。
とくにクロエのファーストショットね!
クロエのシークエンスは完全にオマケなんだけど、
こましゃくれたガキっぷりはナイスでした。
これらのシーンで一息つけるけど、
これは家族が付帯する不幸をすべて、
ジェニファーが背負っているという裏返しでもある。
Pimpも家を出入りしていて、
ジェニファーはいつも自分に優しい彼のことを好きになってしまう。
このPimpが牙を剥くシーンからの母親のクズっぷりまでの
一連の流れは最悪だったな〜
彼女が唯一母親に甘えるところなのに、
酒とドラッグに依存している母が
全く取り合わないときの絶望感よ…
そんな状況の中で彼女は自立することを選択する。
バスケの試合に行くと、そこには彼女の友人達がいて、
孤独の極地から、「1人じゃない!」となるときの
彼女の顔の何とも言えない感じ。
ここでジェニファー・ローレンスという役者の凄さを感じました。
そして、本作で何よりも素晴らしいのが音楽!
1970年代のgood soulやDisco,ブルースなどがガンガンかかる。
しかも、レコードプレイヤーを使った演出なのもニクい!
あとはラストのAin't no mountain high enough使いね。
これは間違いなく5億点。いわゆる神シーン!
歌詞も字幕で出てたんですが、ストーリーを踏まえると、
ハンパなく心に沁みて、号泣メーン!
(神シーンのみYou tubeにアップされているので、
興味ある方はこちらをどうぞ→リンク
最後にある仕掛けがあるんですが、それもビックリしました。
もっと早く公開されて欲しかったけど、映画館で見れて良かった!

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