2012年11月24日土曜日

BAD FILM


東京フィルメックスにて。
園子温監督が95年に撮影した素材を今年完成させた作品。

前売り買い逃したから、当日券買いに並んでたら
前の人どこかで見たことあるなーとかボヤーっとしてたら
僕の後ろに並んでたマレーシア人と話し始めた。
その会話を聞いてると、その人は自分もマレーシア人で映画監督だと。
早稲田で映画の勉強してると。iPhoneでググってみたら…
エドモンド楊監督でした。詳細
ヴェネチア国際映画祭に招待されてるだなんて、凄い…
さすがTOKYO FILMeX。

東京ガガガという園監督が先導してたムーブメント。
出演している人の多くはそれに参加してた人で
園監督自身も「自転車吐息」の主人公と同じ名前の北史朗で参加。
ストーリーは高円寺を巡った日本の自警団である「神風」と
中国自警団である白虎隊との抗争。
撮影当時はこんなことありえないと思っていたけど
この2012年には起こってもおかしくない。
と上映後のQ&Aで本人が述べられていました。
抗争なので全体的にはハードボイルドな感じで
物語は進むけど、時折コメディタッチな部分もあって
そこがかなりぶっとんでてて面白かったです。
(豚の顔の下りと神風のボスが部下をいたぶるシーンが最高)
最初は日本vs中国の構図で、血で血を洗う争いがいつまでも続く。
んで、一旦収束するけど、今度は同性愛という問題に徐々に
フォーカスしていく。この同性愛者というのは
日本人にもいるし、中国人にもいるから対立構造が変化していく。
これまで「人種」というフィルターで排斥してたけど
今度は「性別」というフィルターで排斥が始まる。
痛烈なアイロニーだと思いました。
結局、自分と異なるアイデンティティを持つ人間を認めないというのは
非常に幼稚な考えであるということだと。
映画の舞台となるのは主に高円寺の街中だけど
新宿での決闘や渋谷での街頭演説などのゲリラ撮影も本作の大きな魅力と言える。
とくに新宿アルタ前での抗争シーンはもう2度と見れないシーンだと思うし
hi8で撮ってるから、実際に起こったことのように見える。
BAD FILMというタイトルは
当時いい子ちゃんだらけの日本映画界に対してのカウンターだったそうで
"悪い"映画を作ろうという意味だそうです。
その通り超バッドな映画でした。

今出てる園監督の初期worksのDVD集に収録されているので
一応見れますが、来年以降映画館で上映されれば是非見てほしいっす。

とか思いながら劇場をあとにしたら、安倍晋三を首相に!
みたいなプチ右翼のデモに遭遇。
いったいいつになったら、変わるのだろう。とか思いながら帰宅しました。

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