2012年11月24日土曜日

悪の教典



「ヤバい」
この言葉は何か物事を評価する際には適切ではないと
水道橋博士が言っていましたが、これは「ヤバい」
それしか言いようがない。
海外映画ではシリアルキラーもの見てきたけど
日本の作品では初めての経験でした。
大型バジェットを身にまとい、
これだけの映画を撮れる三池監督にマキシマムリスペクト!
見終わったあとに思ったのは、園子温監督へのアンサーなのかなと。
(とくに冷たい熱帯魚への)
ヒミズの主演コンビ、吹石満と出演している俳優もですが
オレがスプラッターを撮ればこうだ!
って感じがスクリーンから伝わってきました。
ただ本作はシリアルキラーという要素があるから、
単純な比較はできないとは思います。
冷たい熱帯魚は金とか家族関係とか動機になるような要素があるけれど
こっちは純粋な殺しの美学に徹底している。
だから、見終わった後に何かを考えるとかなかった。
(人がそれぞれ何を考えて生きてるか分かんないとか当然の事実としてね)
でも、映画見た!っていう感覚は両作に通じます。
なんといっても伊藤英明。これに尽きる。
これまでドラマとか映画でしっかり見たことなくて
ちょろっと見て、しゃばいなーって思ってた自分が恥ずかしくなりました。
最高過ぎた。表の顔、つまり爽やか英語教師をこなせるのは予測できたけど
裏の顔をあそこまでやりきる覚悟。おみそれしました…
(○ジックマ○ッシュルーム、キメてたんかな)
日本映画の場合、演技が下手な訳じゃなくて
脚本や演出がしょーもないから、
俳優もしょーもなく見えるだけなんだという思いを強くしました。

じわじわと裏の顔が現れてきて、最後の校舎で行われる殺戮行為。
前半も好きだけど、やっぱここで最高にあがる!
銃もマシンガンとかじゃなくて、日本で合法的に入手可能な猟銃(散弾銃)で
弾が2発ずつしか入らない。
毎回けだるそうに、でも確実に弾を込める。
そして一切の躊躇なく、ぶっ放す!
この一連の動作を何十回と見れるだけでクソ楽しい。
とくにかっぱを着て、Mac the KnifeのBig Band Ver.をBGMに
集まった生徒たちを一人残らず殺ってしまうシーンはまさに三池節。
あと山田孝之ね。最高のサービスシーンでした。
嫌なところはエンディング曲。ガクー!て音が鳴った。笑
原作読んでないから、最後の展開がどういう意味をなしているのかは
分からないけれど、この映画を一言で言えば「magnificent」

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