2017年9月17日日曜日

コンプレックス文化論

コンプレックス文化論

武田砂鉄さんの新刊はマスト!なので読みました。
普段皆が気にはしているものの、
何となくスルーしていることや人に対して、
必要以上に真剣に向き合って矛盾点を
あぶり出していくその論法は10年代を代表する、
本当の意味での社会批評だと僕は勝手に思っています。
本作も例に漏れず最高にオモシロかったです。
本作はコンプレックスを抱える人が
産み出すエネルギーはカルチャーの充実に
繋がっているはずだ!という見立てのもと、
天然パーマ、下戸、一重、実家が金持ち、
ハゲ、背が低いなどの様々なコンプレックスへの
武田さんの論考+そのコンプレックスを抱えた
アーティストへのインタビューという構成になっています。
ご存知のとおり、僕は天然パーマという
不治の病と長年格闘している立場なので、
我が意を得たり!と思える話の連続で救われる気持ちでした。
一方で自分が持っていないコンプレックスについては、
普段考えることがほとんどないこともあって、
「あぁ、こういう苦しみがあるのか…」
という新たな視点を得ることができました。
とにもかくにも本作でも武田さんの切れ味が
あまりにも鋭過ぎてニヤニヤが止まりませんでした。
ジャンルレスな引用から見える圧倒的な読書量と、
単純なディスではなくwitに満ちた意見が超オモシロい。
コンプレックスの最近の話題といえば、
豊田議員の「このハゲ〜」がありましたね。
東京ポッド許可局で話されていたときに、
他にも色んな暴力的なこと言っているのに、
「このハゲ〜」だけが免罪符を得たかの様に
マスコミで喧伝されるのはおかしいのでは?
という議論がされていてなるほどなーと。
ハゲは傷つかないからOKでしょ?
という暗黙の了解が社会で形成されてしまっている。
確かに彼女の暴言の中で一番キャッチーだったけど、
お前の娘が強姦されて云々のほうがよっぽど危ないでしょ。
話が逸れてしまいましたが、
コンプレックスとの向き合い方については、
クソな自己啓発本を読むより断然本作を薦めたい!

0 件のコメント: