2017年9月23日土曜日

愛について語るときに我々の語ること

愛について語るときに我々の語ること (村上春樹翻訳ライブラリー)

バードマンで本作の存在を知って、
ずっと読みたいと思っていて遂に読みました。
短編集でタイトル作も当然オモシロかったのですが、
他の短編も何ともいえない余韻を残す作品が多く
新しい読書体験でした。
とにかく物語の切れ味の鋭さが
他の作家にない部分だと思います。
これは結局…?という気持ちになることも多々。
あとはお話自体が全体に物悲しさに包まれていて、
なおかつシュールさが漂うというね~
なんとなく全体をぼんやりと読了したあとに
付いているのが村上春樹による解説。
カーヴァーのキャリアを振り返りながら、
本作が彼にとってどういう位置づけにあるのかを
説明しつつ、収録された全ストーリーについて
解題と称して解説してくれています。親切設計。
この解題が物語の理解の促進にめちゃめちゃ役立ちました。
もしこれから読む人がいるなら、
1話読む→解説読むという形で
読むのが良いかもしれません。
僕が好きだった話は「ダンスしないか?」「ファインダー」
「私の父が死んだ三番めの原因」「深刻な話」
「出かけるって女たちに言ってくるよ」
「足もとに流れる深い川」
「何もかもが彼にくっついていた」
表題作はバードマンの中の
舞台原作として扱われていたんですが、
想像以上に映画とこの作品の結びつきが
大きいことを知りました。
改めてバードマンを見なければ。。。

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