素晴らしいドキュメンタリーがあるんですが、
それについて深掘りした著書です。
結構前に見たんですけど、
記憶が蘇ってもう1回見たくなった。。。
想田監督の作品は観察映画というスタイルで、
ナレーション、テロップ、音楽がない中で、
見る側が主体的に映画を観察することで、
能動的な映画体験が得られるもの。
こちら側が読み取ったものと
実際どうだったのか?を確認するのも楽しいし、
こんな裏側が…という話も興味深かったです。
精神という映画では岡山にある精神診療科での日常を
撮影したドキュメンタリーなんですが、
何が画期的なのかといえば
被写体となる患者にモザイクをかけていない点。
本来は患者のプライバシーを守るはずのモザイクが
作り手側のセーフティーになってしまい、
精神病が「危ない」というイメージの
一方的な押しつけになってしまっている。
あとは精神病と非精神病の境目についての
論考もとても興味深かったです。
自分とは全く異なる人と見切ってしまうのではなく、
自分がいつ罹患するか分からないし、
正しく思考できないというレッテルを
一方的に貼ってしまうのは違うんじゃないか?
社会から排除することで見えなくするのではなく、
何がどの程度問題なのかを可視化していく作業が
必要だなーと感じました。
いきなり何かが劇的に変わることはないのかもしれないけど、
こういった映画が広まることで
社会が変わっていけばいいなぁという
うすぼんやりした希望を持ったりしました。
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