2017年9月6日水曜日

裸足で逃げる

裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち (at叢書)

以前にSession22で特集されていて、
それで興味を持って読んでみました。
帯コメントの岸政彦さんの言葉がとても印象的で、
読み終わったあと確かに暗いなぁと思いました。
(全然関係ないけど、OMSBのTwitterで見た
田我流のパンチラインが素晴らし過ぎて、、
ラッパーかくあるべし→リンク
上間さんは沖縄出身の社会学者で、
東京で勉強したのちに沖縄へ戻り調査しています。
本作は沖縄で生きる10代の女の子たちの
インタビューをまとめたものです。
登場する女の子たちはDVに苦しんでいたり、
若いうちに出産して貧困に苦しんでいたり。
それぞれが複雑な事情を抱えながら
何とか生きていく方法を模索している様子が
本人たちへのインタビューを筆頭に
痛いほど伝わってきました。
沖縄と聞くとリゾートのイメージしか
沸かない方も多くいると思いますが、
その裏側を知ることも重要だと僕は思います。
それは本作で描かれるような貧困然り、
第二次大戦中、および戦後の米軍基地の扱いも含めて。
楽しけりゃそれで良いじゃんでは終わらない。
僕が一番強く感じたことは
本作で登場するような立場の女の子を
国や自治体でもっと包括的に助けられないのか?ということ。
キャバクラや性風俗で働くしか、
シングルマザーが生きていけないというのは
あまりにも選択肢が少な過ぎるように思います。
(上記の職業を卑下してる訳ではないです)
自己責任論の空気が醸成されている
今の世の中においては彼女たちも
その餌食になってしまうかもしれないんだけど、
子どもに罪はないと思うんですよね。。
あまりに辛い経験の羅列にも関わらず、
この本から伝わってくるのは
たとえ抜け出せそうにない暗闇にいても
光は必ず射すということ。
むしろ懸命に生きていく彼女たち自身が輝くことで、
自らがいる暗闇を光で満たしていく、
という表現の方がしっくりくるかな?
そんな素敵で無敵なLadyの話に耳を傾けてみて欲しいです。

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