2017年9月3日日曜日

新感染 ファイナル・エクスプレス



<あらすじ>
ソウルでファンドマネージャーとして働くソグは
妻と別居中で、まだ幼いひとり娘のスアンと暮らしている。
スアンは誕生日にプサンにいる
母親にひとりで会いにいくと言い出し、
ソグは仕方なく娘をプサンまで送り届けることに。
ソウルを出発してプサンに向かう
高速鉄道KTXに乗車したソグとスアンだったが、
直前にソウル駅周辺で不審な騒ぎが起こっていた。
そして2人の乗ったKTX101号にも、
謎のウィルスに感染したひとりの女が転がり込んでいた。
主人公のソグ親子のほか、妊婦と夫、野球部の高校生たち、
身勝手な中年サラリーマンなど、さまざまな乗客たちが、
感染者に捕らわれれば死が待ち受けるという極限状態の中で、
生き残りをかけて決死の戦いに挑み、
それぞれの人間ドラマが描かれる。
映画.comより)


エル ELLEを見たあと、
頭がクラクラしながら新宿でカレー食べて
TOHO→ピカデリーの梯子で見ました。
どストレートのエンターティメントで
めちゃくちゃオモシロかったー!
ベタな部分も大いにありますがベタ万歳!だし、
ゾンビなんかより利己主義な大人の方がクソ!
という展開にぶち上がりました。

※ここからは盛大にネタバレして書きます。

本作は韓国産のゾンビ映画。
あらすじにあるように高速鉄道の中へ
ゾンビが転がり込んできて、
どんどん感染が広がっていき、
果たして生き残れるのか?というものです。
主人公のソグを演じるのはコン・ユ。
トガニという映画にも出ていて、
それがとても好きだったので登場した段階で期待大。
ソグはファンドマネージャーで、
血も涙もない仕事人間であることが
映画序盤で描かれます。
マンションのシーンが好きで、
めちゃくちゃハイソなところに住んでいるだけど、
ソグの母親がリビングでゴリゴリの生活感ある感じで
暮しているのが笑えた。(発泡スチロールで育てる植物!)
娘のことも完全に二の次で発表会にも行かないし、
誕生日プレゼントを職場の後輩に聞いて、
Wii買ってあげるけど、それはすでに家にあるっていう。
ここで彼が以下に利己主義な人間なのかを描くことで、
今後起こっていく事態の大事な伏線になっていました。
今回のゾンビは噛まれると感染するタイプで、
動きはかなり早い系でした。
最近は遅い系がトレンドですし、個人的には遅い系の方が
切ない気持ちになるので好きなんですが、
早い系も早い系でいいものですね。
電車内という限定空間×ゾンビの組み合わせが
かなりフレッシュでオモシロかった!
どんどんゾンビが増えて追い込まれていく中で、
ソグは自分だけが生き残れればいいという考えのもと、
サバイブしようとします。
しかし、おばあさんを気遣う利他的行動を取る娘や、
車内で出会った夫婦の夫に影響されて、
なんとか皆で生き残ろうという方向へじょじょに変化していく。
それが決定的になるのは一度駅で下車するシーン。
このシーンでのゾンビの量が圧巻でした。
本作を見た誰もが妊婦の妻を持つサンファが
大好きになると思います。演じているのはマン・ドンソク。
クマさんみたいな見た目で、
コメディもシリアスもいける素晴らしい役者だと思いました。
序盤は腕力とコメディセンスを発揮し、
後半は激烈エモい展開へと繋がっていく。
自分の身を挺して人を守る漢気のかっこ良さ!
涙でスクリーンが濁ってしまったよ!
ベタと言われてしまえば、それまでだけど
フリが丁寧なので心の琴線に触れまくりでした。
ゾンビ映画ではゾンビの怖さも然りですが、
残された人間側の問題も大きくフォーカスされる。
今回は特に利己主義と利他主義の話でした。
大人になればなるほど、
自分のことしか考えなくなるという設定になっていて、
その悪夢的状況を子どもが苦しむっていう。。。
もうすでにそこそこ大人になったので、
自分ならどうするだろう?と突きつけられている感じ。
電車の車両の構造を使って、
主人公たちがゾンビと利己主義の大人たちと挟まれる。
単純に仲間割れを描くのではなく、
演出で「どっちが怖いですか?」と見せるのが好きでした。
主人公たちはどんどん追い込まれていくんだけど、
「大人なめんな!」という逆の利他的行動が
次々と展開されていき、こちらはその度に涙腺が刺激される。
自分のために生きるのは楽ですが、
誰かのために生きることも必要だよなと
ダラダラ生きているコチラ側にグサグサ刺さる内容でした。
お話の中身もオモシロいのだけれど、
ゾンビ表現としてもオモシロいところ多数。
一番最高だったのは電車の乗り換えシーン。
走っている電車を追いかけるゾンビを
空撮で抑えたシーンが最高だったし、
さらに大量のゾンビが橋を作るとか超フレッシュ!
最後は究極に最悪で自分勝手な
利己主義の塊のバス会社常務とのバトル。
まさかの展開で驚いたし、ゾンビ化するところを
あんなにロマンティックに演出しているのも
起こることは悲劇だけどオモシロかったです。
ラストのトンネルでの歌→娘の顔オチという
エンディングがとても力強かったです。
アイアムアヒーローもかなり好きでしたが、
僕は本作の方が好きかも。
これからホットになるといいなアジア系ゾンビ映画。

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