2015年6月1日月曜日

ラン・オールナイト



フライト・ゲームと同監督で、
同じく主演がリーアム・ニーソンということで見てきました。
ジャンルムービーなんだろうなぁと思っていたら、
予想を遥かに超える良作。
ニーソンがめっちゃ強いお父さんという、
新しいジャンルムービーと言えるんだろうけど、
かなり僕は好きでした。
それこそ96時間1作目を見たときに近い感覚。
マイケル・マンの映画群を分かりやすく、
体温高めで作ったと言ってもいいと思います。
昔仲よかったおじさん同士が息子の命を巡って、
NYの街で殺し合うだなんてオモシロくない訳ないじゃん!
主人公はニーソンで、酒場に入り浸るダメ親父。
しかし、彼は昔殺し屋でボスのエド・ハリスに、
長年忠誠を尽くしてきたこともあり、
エドだけがニーソンのことを気にかけてる。
同じ死線をくぐり抜けてきた盟友。
そんな中で息子同士でいざこざがあり、
それを仲裁したニーソンが偶発的に
エドの息子を射殺してしまう。
その結果ニーソン親子はNYを仕切るエド軍団に
命を狙われてしまい…といお話。
冒頭土手っ腹を打たれたニーソンが
森の中で苦しんでいるところから始まり、
今回は弱い系?と思ってたら夢オチで
酒場で寝ているところから物語は始まります。
はじめにいかにリーソンが落ちぶれた、
ダメな男かというのが徹底的に描かれる。
エドの息子に金借りるところや、
金借りる対価としてサンタを演じさせられたり。
とても切なくなるシーンが多い。
そんな彼に優しいのがエドで、
昔使っていたベッドで2人で思い出を語り合うところは
完全にホモソーシャルなイチャイチャ。
仲良いところを散々見せつけたあとに、
どうしようもない現実が彼らを襲い、
殺し合いを始めるがゆえに、
切なさがぶっ刺さる作りになっています。
しかも、その現実っていうのが、
20歳overの息子の銃撃戦っていうのが笑える。
ただ、この息子同士の殺し合いシーンは
迫力満点で大好きでした!
かっけー!と思わず言いたくなる。
(ガキがNasのNastyを全かぶせで自撮りしてるのカワイイし)
舞台がNYなのでいわゆる摩天楼の美しさもさることながら、
フレッシュなのはプロジェクトを舞台にしたシーン。
そこを舞台にする必然性も用意されてるのでNice!!
しかも、追っかけてくる殺し屋を演じるのが
ラッパーのCommon!!
ヒップホップ好きとしては上がらざるを得ない構成。
でも、このCommonの殺し屋の存在がノイズなんですよね…
それこそイコライザーばりのギミックとかあればいいんだけど、
ニーソンとの過去の因縁を匂わしつつも、そこは未回収だし。
特にラストで出てきたときは「マジで死んどけよ!」
と心の中で叫んでしまいました。。
ニーソンははじめ何とかエドと手打ちにしようと画策するものの、
エドは息子を失った悲しみから、
「テメーの息子をぶっ殺して同じ気持ち味わせる!」
と言ってニーソンとの交渉に応じない。
我慢の限界を迎えたニーソンが、
「アンタのやり方で一線越えさせてもらいますさかいに、
よろしゅう頼んますわ」といってからの
ミ・ナ・ゴ・ロ・シは最高最高!
とくにエドと電車置き場でのタイマンは、
もろにマイケル・マンっぽい作りで好感大。
ぶっ殺したあとのニーソンの切ない顔よ!
It's A Man's Man's World!!
ラスト手前の息子とニーソンの和解シーンも素晴らしくて、
感傷的になり過ぎない絶妙の温度。
ここが素晴らしい分、前述したCommonの登場が
蛇足に見えてしまうんですなー
ただ、それをリカバーするエンディングで、
日常に戻った息子の鏡のもとには…っていうねー
そこのキレ味も素晴らしかったと思います。
「ニーソンまたか。笑」みたいな人は
騙されたと思って見て欲しい作品でございます!

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