2015年6月8日月曜日

グッド・ストライプス



予告編見てオモシロそーだなと思って見ました。

有名な俳優が出てる訳ではないけれど、
とてもグッと来るジワジワ系の素晴らしい映画でした。
監督は岨手由貴子さんという人で、
脚本もオリジナルで担当されています。
雨後の筍ごとく周りが結婚しまくりで、
僕自身も結婚って何だろなーと考えることが多い中で、
自分の考えに非常にfitする内容で、
イイ余韻とともに劇場を後にした次第です。
主人公はあるカップルで、交際は4年に渡りマンネリ状態。
そんな中で子どもができたことが発覚し、
結婚することになるものの…という話。
冒頭インド料理屋での食事シーンから始まるんですが、
空気作りが上手いというべきか、
マンネリ感がビシバシと伝わってくる。
そしてタイトルが出るんですが、
水彩画のアニメーションがかわいらしく、
なおかつ彼らの出会いからお付き合いの様子を
スマートに見せてくれます。
それぞれがゆっくりと結婚へと歩み始めるんだけど、
取り立てて劇的なことは起こらず、
結婚までの約半年を丁寧に描かれていました。
描写の積み重ねで主人公および観客にとって、
結婚がどういうものか立体化していく。
一番大きなファクターとなるのは
家族内の関係再構築と互いの家族との関係構築。
当たり前と言えば当たり前のことだけど、
互いの家族が一癖あることで、
とてもオモシロくなっていると思います。
夫の方は両親が幼い頃に離婚していて、
医者である母親に育てられた母子家庭。
結婚を機に父と会い、上手く話せないものの、
失った時間をゆっくり取り戻していくのが好きでしたねー
万年筆を巡る父への隠しきれない憧れも然り、
デスク周りのレイアウトがそっくりという、
さりげない演出も好感を持ちました。
しかし終盤にかけて、心がヒヤッとする展開が
待っていてそれもねーお父さんが悪いのかと言われれば、
そんなことないけど、自分の父親だったら絶対耐えれない!
夫を演じているのは中島歩という人で、
東出タイプというべきか朴訥な演技が
芯はあるけど表にはあまり出さないという役に
ハマってて素晴らしかったです。
(流されちゃう感じが好きでビッチとの一夜も最高)
一方の妻の方は家族と超仲悪い訳じゃないけど、
あまり上手くいっていない。
実際、妊娠のことも家族に打ち明けない。
特に妻の姉のキャラがパンチ効いてて最高最高!
あと、いくら4年の関係があっても知らないことは
当然あるっていう展開も好きでした。
(そもそも100%理解し合える関係を求めるから、
破綻を迎えるのかもしれないとさえ思う)
妻の方では友人関係の変化も興味深くて、
住む世界が分断されていく切なさというべきか。
身体的な変化はこういうことも起こるのなー
と思ったりもしました。
妻を演じるのは菊池亜希子で勿論5億点。
(彼女出演の作品だと森崎書店の日々がオススメです。)
この2015年にデキ婚どうこう言う人がいるのか
分からないけれど、妊娠がギアとなって、
2人で幸せを見つけたっていいじゃない!
という提示は非常に重要だと思います。
他者を必然的に巻き込む結婚というイベントに
懐疑的な僕のような人間でも本作を見ると、
誰かと生きていく面倒さも含めて、
それが楽しいのかも!と思えるんだから、
本当に素晴らしい作品。オススメ!

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