2015年6月2日火曜日

チャッピー



ニール・ブロムカンプ監督最新作。
前作のエリジウムがかなり好きだったので、
とても楽しみにしておりました。
結果、同監督作で一番好きな作品となりました。
AI(人口知能)を搭載したロボットである
チャッピーの話なんですが、
こんなにロボットのことを愛おしく思ったのは初めて!
ロボットを通じて人間の弱く情けない部分を見せつけられ、
それに立ち向かうチャッピーの姿が健気過ぎて、
何度も泣いてしまいました…
公開前に日本公開版のeditが問題になっていましたが、
確かに勝手に改ざんすることは良くない。
けれど、これでレイティングが下がり、
子どもが劇場で見れるようになるならOKかなと思います。
(グロ描写は本作の本質ではない訳だし)
舞台は2016年の南アフリカ、ヨハネスブルク。
犯罪大国の南アフリカへロボット警官が導入される。
それによって犯罪は激減した社会において、
このロボットの開発者が新たに産み出したAIは、
まるで子どものように様々なことを学んでいく成長型。
そのロボット、チャッピーがギャングの手に渡り…という話。
ギャング同士のいざこざから始まるんですが、
彼らの描写の恐ろしさからして、
並みの映画ではないことがよく分かります。
全身にくまなく入ったタトゥーと
市井の人間が持ってる訳がない武器の数々。
ならず者たちがスクリーンで暴れるの見れるだけで最高。
(ちなみに南アフリカマジ危ない系映画としては、
ケープタウンがとてもオススメです)
ひょんなキッカケからギャングが、
チャッピーを育てることになるんですが、
起動した瞬間から発生するカワイイ…という感情。
チャッピーの小動物のような動きがそれを引き起こす。
これが母性ってやつなのか!とか思いました。
チャッピーはギャングたちと共同生活するんですが、
このギャングたちが最高でキャラ立ち抜群!
男女2人はDie Antwoordという
南アフリカのラップグループで、
劇中で使われるHIPHOPの曲は彼らのもの。
銃の撃ち方とかバイオレンスを仕込むくだりは
オモシロかったな〜特に車強盗が可愛さ込みで好きでした。
一方で辛い場面もあって、修行させるために、
チャッピーをギャングがタムロするところへ放置。
まさにカワイイ子には旅をさせろ状態なんですが、
遠慮のない暴力に晒されてしまう。
これに加えてメーカーに対する不信感から、
子どもでいう反抗期を迎えるのが後半。
チャッピーは人間の鏡のように思えて、
人間の善意も悪意も清濁併せ呑むスタンス。
生まれたときからの悪なんていないことがよく分かります。
終盤はロボット警官使っている会社で、
別のロボットを作っている人間による悪巧みで、
ギャングとチャッピーをぶっ殺しにきます。
(editはこのシーンの一瞬だけとのウワサ。。)
阿鼻叫喚の地獄絵図の中で、
チャッピーが覚悟を決めるシーンは号泣メーン!
自らの命は少ないけれど、
大切な人達を守りたいという利他意識。
暴力はダメなことって分かっているのに、
ヒュージャックマンをボコボコに知るシーンも切ない…
むき出しの暴力の恐ろしさを体感しました。
ラストの終わり方も結構衝撃で、
病院行ったら助かるんちゃうかなと一瞬思ったけど、
チャッピーが思いつく救出としては説得力あり。
持たざるものが懸命に生きる術を見つけ出し、
精一杯生きていくというのは、
同監督の特徴と言って言いと思うし、
本作もオススメでございます!

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