2013年9月25日水曜日

エリジウム



第9地区の監督最新作が、マット・デイモン主演の
ビッグバジェットで見れる!ということで鑑賞。
町山さんや宇多丸師匠が絶賛するほど
前作の第9地区が好きではなかったんですが
本作は間違いなく、今年トップ10に入る作品だと思いました。
めちゃくちゃオモシロかったです。
物語の設定は「アップサイドダウン 重力の恋人」 に近いですが
作り込みが雲泥の差。ツッコミどころが少ないから
自然にこの映画のもつ世界観に入り込めました。
21世紀末の話で、地球は環境汚染やら何やらで全世界がスラム状態。
一部の超富裕層が地球外のコロニー、エリジウムに移住している。
そこでは歳も取らなけりゃ、病気にもならないユートピア。
(病気になったとしてもスキャンして一瞬で治る)
主人公のマット・デイモンは元々銀行強盗で
今は真面目に工場で働いている青年。
不慮の事故で、余命5日になってしまう。
自分の命を救うために、エリジウムに向かうという物語です。
この物語がフィクションだと言い切れないところが
最近の怖い話でもありますよね。
まさに今のアメリカを象徴しているとも言えるでしょう。
スラムだからといって野放しな訳ではなく、
すべてロボットで管理されている。
富裕層は自分たちの手を汚すことなく地球を統治している。
しかも、主人公の働いている工場は
自分たちを取り締まるロボットの生産工場。
この抜けられない無限ループに絶望を感じるし
十分な負け犬設定だと思います。
前述したとおり、事故ってしまうんですが
それをきっかけに体にアーマーみたいなのを
装着してパワーアップする。
パシフィックリムみたいなゴツゴツしたのも良いですが
有機物×無機物の掛け合わせで、
ほどほどに強くなる設定に好感を持ちました。
エリジウム行きのチケットを得るため、
自分の会社のCEOを拉致って、頭のデータを引き抜く。
これが本作の一番の肝なんですが
世界をRebootするデータなんですね。
すべてが機械でコントロールされている社会で
そのヒエラルキーの末端の人間がルールを変える!
この設定でアガらない訳がない!
エリジウムに到着してからは、どっしゃんがっしゃんのバトル。
ラスボスとの対決も見せ所多くて良かったっす。
物語のおとしどころも非常に綺麗。
富の再分配というか、
これまで疎ましくも思っていた「システム」に救済される。
長々書いてきましたが、ロジックがしっかりしてるから
飽きないし、ツッコミどころも気にならない。
今年見たアクションではかなり良いほう!

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