2013年9月1日日曜日

夏の終り



劇場予告編見て、満島ひかり meets 寂聴?!
と驚いた後、「オトナの!」に小林薫が出演してるのを見て。
ガッチャマンみたいな映画を開局60周年とかで作るなら
こういう映画にもっとバジェットつぎ込んで欲しいです。
要するに、とてもオモシロかったです。オトナの映画。
原作が瀬戸内寂聴。構造はミニマルで、主な登場人物は
作家役の小林薫(小杉)、浮気相手(?)の満島ひかり(相澤)
彼女と同郷の綾野剛(木下)のみ。
小杉には奥さんがいるけど
相澤のところに8年近く足繁く通ってる。
そこへ相澤が昔好きだった木下が現れて…という話。
ドロドロの三角関係の話かな〜と勝手に想像していましたが
全然そんなことなくて、女性の自立をテーマにした作品でした。
いかんせんですね、
満島ひかりの演技はとんでもないレベルにあると思います。
ドラマのWomanも話題ですが、トーシロが見ても
仕草なり、存在感なりが凄い!っていうのが
この映画を見るとよく分かります。間違いなく日本最高峰。
(赤の染料で暖簾をぶっ叩くシーンが最高)
小杉と相澤の日常風景から始まるんですが
この時点では長年連れ添った夫婦のように見える。
そっからのタイトルがいいんですね〜
満島ひかりの役は藍染めが仕事なので
藍染めでタイトルが出るんです。それが綺麗。
最初は仲睦まじい2人なんですが、
小杉には奥さんがいますから、帰るんですね。
しかも、大晦日で相澤が風邪引いてるときに。
1人×正月×風邪という寂しさMAXの状況で
木下を呼びつける。このときには特になにもないんですが
これをきっかけに、相澤と木下の関係が始まる。
一線を超える表現として、道というか坂をまたぐところは
非常に映画的でよかったなーと思います。
んで、まぁ情事を重ねる訳ですが、綾野剛ともべったりにもならない。
「愛」を上回る「習慣」
ということなんですが、この「習慣」にも限界がくる。
小杉のもとにいたって、彼は絶対に奥さんとは別れない。
じゃあ、私はなぜ彼といるの?という
綾野剛が来るまでは表に出て来なかった感情が溢れ出す。
そこから男性依存的だった相澤が自立していく流れ。
確かに誰かと一緒にいること自体はかけがいのないことだけど
主体的に生きてこその話ですよね。という着地は好きでした。
この映画では男の身勝手さ、女の身勝手さが両方見れるのも
良いことだなーと思います。
映像全体の質感もとても好きだし
昭和ノスタルジーに浸りたい人はどうぞ。

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