2013年9月21日土曜日

許されざる者



事前にイーストウッド版も見て、準備万端で鑑賞しました。
TLの評判とか見ると、
あまり良いこと聞いてませんでしたが、十分に楽しめました。
そもそも世界的にウルトラクラシックな作品を
日本でリメイクすること自体が相当無茶な試み。
その点は、あらかじめ考慮しないといけません。
そりゃ元のほうが良いに決まってますよ。
そこで思考停止してダメだという論は
この映画にはあてはまらないと思います。
十分頑張ってたよ!
とか言いつつも、相当原作に忠実な作りなのにはビックリしました。
物語の大筋で変えているところはあるんですが
細かいギミックはかなり忠実だな〜と感じました。
渡辺謙が伝説の人斬り侍で、昔の友人である柄本明と
途中で参加する若造の柳楽君と、ある村の賞金首を狙う話。
その村を取り仕切っているのが、警官の佐藤浩市。
ならずもの vs 警官のバトルが見物な作品。
原作は西部劇ですが、本作は江戸→明治の移行期という設定で
侍の駆逐が行われているし、アイヌがいる北海道への入植も始まっている。
アイヌの話が物語上、結構なウェイトを占めているのが
日本版ならではのところ。
アイヌの話は見ている間は必要なのかなぁと思いましたが
最後に家燃やすところで回収されたので、良しとしています。
そして、これらの舞台設定はうまく機能していたと思います。
日本を舞台にするなら
これしか正解ないんじゃないかなというくらい。

許されざる者を見て感じることは
原作のレビューでざっと書きましたので
興味ある人は前記事を参照くださいませ。

じゃあ、本作の何が良かったかといえば、俳優陣と暴力描写です。
この映画にはハンパな役者が1人も出ていない。
全員が日本トップクラスの人であるから、画面が成立してるなぁと
見ている間に何度も思いました。
これはキャスティングした人がめちゃくちゃエラい!
とくに柄本明が、、、
もうおじいちゃんなのに、そこまでやるんかよ!と思いました。
渡辺謙は言わずもがなです。もう最高ですよ、そりゃ。
唯一「なんだかなぁ」だったのが、佐藤浩市。
演技がダメとかじゃなくて、顔が男前過ぎる。
もっと悪い顔のやつにしないとダメ。
暴力描写はかなり攻めてましたね。
技術の発達もあるかと思いますが、
唯一原作超えたんじゃないかと思うところです。
しっかり「痛い」描写になっているし
自主規制で隠すことも少なかったです。
ここ頑張ったのも物語全体を引き締めることになったと思います。
ラストの落とし方は正直「えっ?!」と思いましたが
大ラスで「悪人」のときばりの顔芸も見れたので満足。

この出来で文句言われちゃうのは可哀想ですが
イーストウッド版を見てない人は
それを見て比較しながら見ると
十分楽しめるし、頑張ったな〜と思えるんじゃないでしょうか。

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