2013年9月17日火曜日

地獄でなぜ悪い



いとうせいこう氏 presents したまちコメディ映画祭にて。
映画秘宝まつりは外れてしまったけれど
これを最速で見れるTOKYOはやっぱり最高です。
アメリカのグラインドハウス型映画なので
この映画を映画祭で見れたことはとても幸せでした。
映画を見てるのは1人1人だけれど
会場全体で共有できたあの空間は今年一番の映画体験。
初期作品を除けば、ほとんどの園子温作品を見てきた訳ですが
ここにきて、また新たな境地というべきか。
それは今回が初めてのコメディだからとかではなくて
メーターの振り切り方がとにかくスゲぇ!
最初からトップギアで、そのまま約2時間走り抜ける感じ。
前作が希望の国で相当重い作品だったので、その反動なのかな〜と。
とてもオモシロかったし、映画愛の表現法としても最高でした。

敵対するヤクザの組と映画監督を志望する若者を巻き込んだ物語。
この抗争をそのまま映画にしちゃえ!という極めて乱暴だけど
とてもワクワクする映画に関する映画です。
今作については、とにもかくにも役者陣が全員最高です。
とくに堤真一は、出演作をこれまであまり見たことないですが
こんなにコメディいけんの?っていうぐらい
何回も笑わせてもらいました。
映画監督志望の役を長谷川博己が演じています。
これまで割と理性のある役柄が多かったと思うんですけど
今回は映画Crazyとして、暴れ回っている。
大人になりきれない大人。
端から見れば、単なるバカにしか見えないけど
いつか訪れるその刹那にかけて生きる姿は愛おしかった。
(俳優と揉めるところは相当グッときた)
そんな彼が本物のヤクザを俳優にして映画が撮れる!
この興奮がスクリーンを通じてビシビシ伝わってくる。
そして、星野源ね。この話のベースとして
園監督が若い頃にヤクザの娘とやっちゃって
拉致られたというエピソードがある。
つまり、星野源は若い頃の園監督自身なんですね。
あのぼやっとした感じもハマっているし、ポイントポイントで超オモシロい。
ゾンビか!っていう往生際の悪さも最高でした。
んで、國村隼は真面目なんだけど、それが笑えちゃう。裸の王様。

後半はそのヤクザの抗争が延々繰り広げられる訳なんですが
ここも血の量やら刀による戦いが壮絶。
二階堂ふみはここで一番輝いていたし
ある場面で会場全体から拍手が自然と沸き起こっていました。
今回とくに秀逸だなーと感じたのは
刀→銃に戦闘形態が変わる演出。
「ザ・レイド」とかはそこうまくいってなかったけど
本作はきっちりロジックがあるのは良かった。
そして、銃に切り替わったあとも
とんでもない熱量なので、見てて全く飽きない。
いや。むしろ、テンションは上がる一方。
表面だけなぞれば
トラックスーツとヤクザ的なものの掛け合わせなので
「キルビルじゃん」とか野暮なこと言う奴いるんだろーけど
そういうことじゃねぇ!
この映画はお前1人を感動させたがってんだよ!
映画最高!

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