2017年8月21日月曜日

渚のシンドバッド



橋口亮輔監督作品。
どんどん過去に遡る形で
フィルモグラフィを追いかけてきました。
(残るは二十才の微熱だけ…)
橋口監督の作品の中で考えると、
僕は新しい作品である、
ぐるりのこと。や恋人たちが好きですが、
橋口監督の作品は他の監督と
数段グレードが異なることを本作で改めて痛感。
この人がたくさん映画を撮れるような環境が
なぜ日本で作りにくいのか、不思議でしょうがない。
本作の一番ビックリするトピックとしては、
役者時代の浜崎あゆみが出演している点ですよね。
レイプされた経験を持つ影のある少女を演じています。
自分が経験したことをダイレクトに語る場面は少ない中で、
彼女の抱える闇の部分が滲み出ていて、
歌手ではなく役者を選んでいたら…
というパラレルワールドを夢想してしまう。
彼女も素晴らしいんですが、
本作はなんといっても岡田義徳!
彼が演じるのは中学生で
同級生の親友に思いを寄せるゲイであると。
橋口監督の映画の最大の特徴として、
ワンカットで撮り切るところが挙げられますが、
これによって観客側に何か決定的なものを
目撃した感触を痛烈に与えてくる。
彼がゲイであることを告げる教室のショットは
息が詰まるほどの緊張感…
予告編でも少し出てるけど、
本当にこれだけでもいいから見て欲しい!
(あと海岸での切なさマックスのシーンも)
性春のワンカット。

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