2017年8月24日木曜日

ユングのサウンドトラック

ユングのサウンドトラック 菊地成孔の映画と映画音楽の本

radikoのタイムフリー機能が導入されてから、
菊地成孔の粋な夜電波を毎週聞いていて、
それに影響されて読んでみました。
本作は色んな媒体に掲載されていた
映画レビューのまとめ+書き下ろしで構成された
映画について菊地さんが語っている著作です。
冒頭、いきなり松本人志が監督した
大日本人、しんぼるの批評から始まる、
その意外性に驚いたし、
まだ未見なので見てから改めて読まなきゃなーと思います。
映画レビューがオモシロいのは、
見る人によって様々な視点がある点だと思っていて、
菊地さんはその視点が他の人と全く違って超フレッシュなので、
めちゃくちゃオモシロかったです。
当然見てから読むと理解が深まったり、
新たな見方を獲得できて良いのですが、
逆に見る前に読むとめちゃくちゃ見たくなる。
本作で僕の中でビットが立ったのはゴダール。
お恥ずかしい話なのですが
1作も見たことがないのです。。
そんなトーシロでも見たくなるような、
音楽の切り口と共にオモシロい見立てが
次々と繰り広げられています。
(音と映像の同期、OSTと既存曲の取り扱い方など)
他にもオモシロいものはたくさんあって、
個人的に刺さったのはSATCとグラントリノのレビュー
SATCをNYとJAZZを絡めて、
ここまで真剣に考えている人がいるのか?!
と驚きましたし、グラントリノのエンディングにまつわる話は、
その部分全然覚えてねー!な話で猛烈に見直したくなりました。
最後には昔公開されていたブログからの転載で、
映画のことを書いた日記が掲載されていて、
「やっぱ日記おもしれー」となりました。
(というか菊地さんの文体が好きですね。)
まえがきで「何を観ているか」と同等に
「何を観ていないか」に可能性があって、
単純に面白いと書いてあって、なるほどなーと。
豊かな映画鑑賞生活のお供に是非!

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