と実感したチャールズ・ブコウスキー。
古本市で見かけてサルベージしました。
読み終わるまで自伝なのかと思う内容で、
パルプとはまた違う感じでオモシロかったです。
お話としては、大学を中退した主人公チナスキーが、
ひたすら色んな仕事については辞めを繰り返す、
ただそれだけの話です。
いわゆる私小説なんですが、その日に起こった出来事を
かなり細かく描写しているので
日記を読んでいるような感覚。
ひたすら酒を飲み、女を抱き、仕事を転々としていて、
生活に余裕はないのだけれど、
何にも縛られずに自由に生きている様は羨ましくも見える。
なおかつ描かれている時代が第二次大戦前後なのも、
日本人としては哀しくなるところがあります。
つまり、日本が徹底的に追いつめられてたときに
アメリカでは何の変哲もない日常が流れていたと。
到底勝てる訳がなかったことを
戦争がテーマでもないところから伺い知れるところが、
オモシロいなーと思いました。
この点はあとがきでも言及されているんですが、
本作のあとがきはブコウスキーを体系的に理解できる、
素晴らしいあとがきでした。
パルプが実は例外的な作品で、
残りの小説は本作と同じチナスキーが主人公で、
描かれている時代が青年期、壮年期等になっているとのことでした。
そうなると全部読むしかないやん!
今年中に全部読みたい気持ちです。
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