2017年6月29日木曜日

勝手に生きろ!

勝手に生きろ! (河出文庫)

昨年読んだパルプで小説って自由なんだよなー
と実感したチャールズ・ブコウスキー。
古本市で見かけてサルベージしました。
読み終わるまで自伝なのかと思う内容で、
パルプとはまた違う感じでオモシロかったです。
お話としては、大学を中退した主人公チナスキーが、
ひたすら色んな仕事については辞めを繰り返す、
ただそれだけの話です。
いわゆる私小説なんですが、その日に起こった出来事を
かなり細かく描写しているので
日記を読んでいるような感覚。
ひたすら酒を飲み、女を抱き、仕事を転々としていて、
生活に余裕はないのだけれど、
何にも縛られずに自由に生きている様は羨ましくも見える。
なおかつ描かれている時代が第二次大戦前後なのも、
日本人としては哀しくなるところがあります。
つまり、日本が徹底的に追いつめられてたときに
アメリカでは何の変哲もない日常が流れていたと。
到底勝てる訳がなかったことを
戦争がテーマでもないところから伺い知れるところが、
オモシロいなーと思いました。
この点はあとがきでも言及されているんですが、
本作のあとがきはブコウスキーを体系的に理解できる、
素晴らしいあとがきでした。
パルプが実は例外的な作品で、
残りの小説は本作と同じチナスキーが主人公で、
描かれている時代が青年期、壮年期等になっているとのことでした。
そうなると全部読むしかないやん!
今年中に全部読みたい気持ちです。

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