2017年6月18日日曜日

ウォーマシーン:戦争は話術だ



NETFLIXオリジナルコンテンツに、
ブラッド・ピットが登場ということで見ました。
アフガニスタンの泥沼化している戦争を
終結させようとするアメリカ軍の大将が主人公で、
その主人公をブラピが演じています。
戦争映画としては特殊で終盤以外は
戦闘シーンが存在せず、政治と戦争をテーマとした、
パワーゲームを描いている作品。
露骨に反戦という訳でもなく、
アイロニーを込めて描いている点がオモシロかったです。
過去の戦争は国同士の争いであり、
その国に攻め込み敵軍を倒して制圧という
単純な仕組みであったんだけど、
アフガン/イラク戦争はそんな単純なものではない。
つまり、一般市民と過激派組織の区別がつかないということ。
(最近よく聞く話ですよね、「一般」との区別って)
だから誰を攻撃していいか分からない。
一般市民を巻き添えにしてしまえば、
当然米軍に反抗する人達は増えていく。
将軍はその点は理解しているんだけど、
現場で敵と直接対面する兵士たちにとっては死活問題で、
前述した唯一の戦闘シーンは
想定していた悪い結果を具現化させたものでした。
そもそも、いきなり装甲車で侵攻してきて、
「あなたたちを救いにきました!」という論法が無茶苦茶で、
さらにアメリカが作ったシステムを
彼らの事情を踏まえずに導入させる。
911以降、アフガン/イラクに侵攻したことで
テロがなくったわけでもないし、
ISISも出てきて世界はさらに混沌としていることを考えると
頭がクラクラしてきますよね。。
勝つ/負けるという従来の戦争のロジックは捨てて、
なにか別の解決方法を考えないと
テロと戦争は未来永劫続くのだな、と思ったりしました。
戦争描写がだいぶソフトなので、
そこがちょっと不満なんですが、
冬の兵士というイラク、アフガンの帰還兵達の
語りおろしの本を合わせて読むと
アフガン/イラク戦争が立体的に見えてくると思います。

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