2012年10月20日土曜日

希望の国


公開初日、ピカデリーにて。

前作のヒミズが個人的にはウーンって感じでしたが
今回は結構楽しめました。最高!って訳ではないけど…
そもそも、そういう映画ではないかな。
本作は先に原作+園子温監督の語りという形で
本でリリースされてて、それを読んでから行きました。
その本の中には、映画の中身がすべて書いているので
ネタばれ嫌な人は読まずに行った方がいいかも。

あらすじとしましては、
原発事故を翻弄される家族の物語。3つの家族で物語は構成されます。
架空の長島という街で地震のせいで原発事故が起こる。
そこからは311で実際に起こった話をベースに
園子温流の形で物語は進行していく。

まず、大前提として「放射能」に対してどういった考えなのか?
ということで見方が大きく変わると思います。
例えば、過剰に放射能を恐れることに対して懐疑的な人は厳しいかも。
ボクは怖くもあるし、東京に住んでて将来甲状腺ガンにかかる確率が上がるか?!
とフラフラ両方の考え方を行き来しています。
この映画は、かなりバイアスかかっています。
放射能を恐れている。過度なまでに。
そして、「あえて」こういった作りにしているのだと思います。
なぜなら日本人の多くがもはや過去の出来事としているからです。
震災が起こって1年半経ちましたけど、復興なんてまだまだですよね。
でも、普段生活してて、そんなこと考える時間があるか?
と言われれば、ボクは考えていません。
たった1年半じゃ現地の状況は大きく変わらないのに
被害に遭わなかった人は過去のこととなる。
そんな人達に「お前ら、忘れんなよ!まだ終わってねーぞ!」
って言われた気がします。
映画自体の存在意義は確かにあるんですが
エンディングがどうしても納得できなかった。。。
息子夫婦のほうはいいとして、
夏八木勲の決断は全く受け入れられなかった。
この社会で生きていくのをあきらめたように思ったんです。
確かにその土地に対して思い入れがあるのは分かるし
他で生きていても生きた心地がしないというのも
分からなくもないですけど、、、
生きているという「希望」さえも奪い取ると
タイトルの「希望」 を一体どこにみるのだろうと感じました。
 
暴力描写はこれまでの映画に比べて少ないですが
ラジカルさという意味では、どの作品よりも強烈かもしれません。

この時代に生きるなら、見といて損はないです。

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