2017年1月11日水曜日

ぼくと アールと彼女のさよなら



まだ映画館始めできていないんですが、
DVDをチョロチョロと見ています。
青春もの見たいなーと思い本作を見ました。
信頼のFOX SEARCHLIGHTのロゴが冒頭に出て
期待していたんですが、めちゃくちゃ素晴らしかった…
これDVDスルーってどうなってんねん!
と言いたくなるぐらい。要素でいえば、
きっと星のせいじゃない。
ゴンドリーの僕らのミライへ逆回転の
組み合わせと言っていいかもしれません。
ただ、その組み合わせの妙と
しっかりとアップデートしているのが素晴らしかったし、
最近見たアメリカ青春もので一番好きです。
主人公のグレッグの高校3年生。
誰とも深く仲良くならないことで、
アメリカの高校内のスクールカーストから
距離を置くことで自分が傷つかないように生きている。
そんな中で同級生のレイチェルという女の子が白血病になり、
お見舞いに行ったことをきっかけに、
仲良くなり始めて …というお話。
日本で病気恋愛ものというジャンルが
一時流行し紋切型の作品が量産されていましたが、
そんな人たちに本作を煎じて吐くまで飲ませたい。
病気になった人に対するスタンスって
難しいものだと思っていて
「あきらめないで」「絶対治るから」と言う側は
当人と会った1度だけですが
言われる側は同じようなことを
何度も繰り返し言われるわけです。
そこにウンザリしているレイチェルに対して、
グレッグは人に深入りしたくないゆえに、
レイチェルと良い意味でフラットに接することができる。
彼女との関係を通じて、「何者」でもない高校卒業直前に、
グレッグが主体性を獲得していく姿がとても眩しかったです。
あと、グレッグが唯一情熱を注いでいることが映画を作ること。
映画といっても過去作のパロディの短編なんですが、
それを共作しているのがアールという男の子。
彼の動じない強さがかっこいいし、
グレッグ、レイチェル、アールの
アイスクリーム屋での3ショットは最高最高!
監督解説付きで再度見たんですが、
計算され尽くされた1つ1つの構図と、
計算できない俳優の瞬間的な魅力のバランスが
良いんだなーと思いました。
あとストップモーションアニメが
合間合間に挟まれていくんですが、
ベタベタ触りまくる女子表現として抜群でした!
そしてラストの病室でのシーンが圧巻。
劇中音楽を手がけたBrian EnoのBig Shipが鳴り響く中、
感動的なグレッグの映像が流れる。
単純なビデオレターではなく
抽象的な内容にも関わらず涙が出てしまう、
これこそ映画マジックだと思います。
現代アメリカ青春物語の最高峰!

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