2015年4月26日日曜日

インヒアレント・ヴァイス



トマス・ピンチョン作品の初映画化ということで見てきました。
読書好きとしてピンチョンは知ってたんですが、
どれを読もうか悩んだときに本作の原作を読みました。
難解と言われている彼の小説の中でも
読みやすい部類に入るらしいんですが、
それでも結構苦労したことをよく覚えています。
本作なんですが、かなり原作に近い仕上がりで、
本から滲み出てるバイブスを漏らさず、
真空パックされてるなと思いました。
一方で原作がそうだったように
サスペンス部分のいきあたりばったりさもそのまま。
映像なのでだいぶ咀嚼しやすくはあるんですが、
何となく事件が解決していく感じ。
それにしても160分は長過ぎる…
ただダラダラ感も「Groovy」と呼ぶべきなのかもですが…
私立探偵ドックの元に、かつての恋人である
シャスタが相談にやってくる。
その内容は財産目当ての事件に巻き込まれていること。
ドックは調査を始めるものの、
自らが殺人犯と仕立てられてたりしながらも、
ふらふらと捜査を進めていく。
本作のキーワードとして「Groovy」というものがあります。
これは主人公の口癖でもあり、本作を物語る言葉。
Groovyを何で表現しているかといえば、
ビビッドな色使いと音楽だと思います。
舞台がLAってこともあり、
起こっていることはシリアスなんですが、
画面からご機嫌さが終始伝わってくる。
(エンドロールやポスターのグラフィックデザインも最高!)
それは音楽も同様で60〜70年代のRockやAORが
ゆるーく流れいて心地いい。
主人公のドックをホアキン・フェニックスが演じているんですが、
フーテン具合が良くてヒゲとか超汚くて最高。
昨年エヴァの告白やherといった作品と
全く異なる表情ばかりで素晴らしかったです。
(彼が終始「巻いて吸っている」ことも
Groovyの一つの要因でしょう)
ルパンと銭形警部のように、
本作でもビッグフットという刑事がいて、
それを演じているのはジョシュ・ブローリン
彼の弾け具合を見るためだけに見て欲しい!
というぐらい飛ばしまくっています。
ドッグとビッグフットの掛け合いは
アホだな〜と思わず言いたくなる。
(謎の日本語のくだりとかも最高でした。)
ただ話の進め方、サスペンス構造としては、
あんまり上手くないk等か、それによるカタルシスはない。
一応バラバラだと思っていたものが
1つには繋がってはいくんだけれど。
監督は巨匠ポール・トーマス・アンダーソンですので、
このショットが…というオモシロさが
おそらくあるとは思うんですが、
160分という長さで集中できず、
そこまで読み取ることはできませんでした。。
Groovyさは映画館でしか体感できないので是非劇場で!

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