2014年8月6日水曜日

エスケープ・フロム・トゥモロー



アメリカのディズニーランドで無許可撮影した、
ダークファンタジーという超楽しそうな触れ込みに
惹かれて見てきました。
白黒映画ということや、前半が少し退屈で何だかなー
と思っていたんですが、中盤からラストまでは
目が離せない展開でオチも最高!って感じでした。
フロリダのディズニーワールドで撮影されてるんですが、
実はまだ心が腐ってない小学生の頃、一度訪れたことがあって、
そこで弟が迷子になり、
ひたすら日本語で自分の名前を泣き叫んでいたことをレミニス。
その一方で、東京ディズニーランドは行ったことないっていう…
本格派ぶりたいほど浅はかではなくて、
それもこれも天邪鬼の塊と化している僕にとって、
ディズニーファシズムみたいのが気持ち悪いなぁって。
(従業員のことをキャストと呼んだりするところとか)
ディズニー映画は大好きなんですけどね。
そんな大人のボンクラに向けた、
ディズニーの楽しみ方指南って感じで楽しく見ました。

主人公はジムというお父さん。
奥さん、息子、娘の4人でディズニーに遊びに来ている。
その朝に突然仕事をクビになり、遊んでる場合じゃないけど、
夢の国へと現実逃避。家族サービスのつもりで向かったけど、
園内で楽しそうなフランス人女子2人に心惹かれる。
どこにいても2人が視界に入ってしまい、
途中からは2人を追いかけて園内をかけ回る。
吉田恵輔監督初期作に代表されるように、
男の僅かな可能性にかける悲しいサガは何回見てもオモシロい。
しかも、合間合間にジムのくだらない妄想も挟まれるしね。
ただ、これといって何もないから前半は少し退屈。
ワンチャンスにかける気持ちが実を結び、
フランス人とは別の人妻とのSEXにこぎ着ける。
この辺から妄想と現実との区別がつかなくなってくる。
ジムにとっての現実はろくでもないもので、
仕事はクビになったし、奥さんとは仲悪いし、
息子はスペースサンダーマウンテン乗ってゲロ吐くし、
娘はケガさせられるし。
少しでもそんな現実を忘れさせてくれるかもしれないのが、
ディズニーランドで楽しそうに遊ぶ女子2人。
この構造はなるほど!と思いました。
確かにディズニーで楽しく遊んでる女子を
愛でるというのは間違いじゃないぜ!
中盤からはEpcotに移動。 (巨大なゴルフボールみたいなやつね)
ここから悪夢の連続で、フランス人女子に声かけられるものの、
ぎりぎり残っていた理性でなんとか断る。
そこで顔に水をかけられて、これがラストへの悲劇の始まり。
娘は誘拐されるし、Epcotの下にある秘密組織に拉致されたり。
誘拐は白雪姫オマージュで、特に好きだったのが拉致のくだり。
お前の妄想力を測定するって言って、
変な機械に縛り付けられるんですが、その結果、
「オメースゲーよ!ウォルトもここまでじゃなかったよ!」
っていう皮肉たっぷりな演出が最高。
悪夢が終わったかと思いきや、更なる地獄の猫インフル!!
身の毛もよだつ症状を発症する…
あまりにもデカ過ぎる妄想とescapeの代償。
そして、ラストの展開がウオーって感じで度肝抜かれた。
夢の国に行くことで、日常から離脱し、
新たな人生を生きるってことか…
色んな解釈が生まれそうなオチだし、
全体の寓話性がディズニーっぽい。
逞しい想像力を身につけ、
オモシロくない世の中をオモシロきにして生きたいものです。

0 件のコメント: