2014年6月8日日曜日

プールサイド・デイズ



新宿のシネマカリテの映画祭での限定上映。
映画秘宝の町山さんのコラムで見かけて、
「コレは!」と甘酸センサーが作動し鑑賞した次第です。
その結果、新たな甘酸クラシックの誕生!最高でした!
「アドベンチャーランドへようこそ」に構造が近くて、
恋愛要素を抑えた分、本人の成長にフォーカスした青春物語。
夏×短期バイト×アミューズメントパーク×青春が
甘酸クラシックを生む黄金の方程式であることを
改めて証明したマスターピースだと思います。
監督を務めるのがNat FaxsonとJim Rash。
アレクサンダー・ペイン監督の、
ファミリツリーで脚本参加している2人です。
この時点で好事家の人達はビンビンきてますよね?

主人公はダンカンという14歳の少年。
両親が離婚してて、母に引き取られている。
母の新しい彼氏(スティーブ・カレル)、その連れ子(女子)と
夏休みのあいだ、海の近い別荘で過ごすことに。
超内気なダンカンはマッチョ思想なカレルとも
全く打ち解けれないし、彼からは映画の冒頭で
「お前は10点満点で3点だ」と言われる始末。
海に近くて楽しいはずなのに、
彼の居場所は無く、孤独な日々を送っていたところ、
たまたま近所のプールを訪れる。
そこで街で何回か遭遇したサム・ロックウェル演じる
オーウェンと再度出会う。彼はプールで働いてて、
彼に誘われ、ダンカンがプールでバイトを始めて…という話。
原題はThe Way Way Backなんですが、
この邦題はナイスだな〜と思いました。
前半ダンカンが徹底的にイケてない描写の連続。
連れ子の女の子にはウザがられるし、友人もできない。
そんな彼がプールで働き始めて、徐々に事態が変わってくる。
そのきっかけとなるプールサイドでのダンスシーンは
彼が自分の殻を破るシーンとして秀逸だし、
照れずに一生懸命やることの大切さがよく分かる。
このダンカンを雇ったオーウェンがめちゃくちゃオモシロくて、
彼の行動で何回も声だして笑ってしまいました。
(落ち込んでるダンカンを励ますダンスが超最高)
もちろん恋愛要素もあって、カレルの姉の娘であるスザンナと
徐々に仲良くなっていく。
2人とも片親で、母親に引き取られたものの、
父親のことを忘れられないという同じ境遇。
この2人の関係の甘酸さがたまらんな〜って感じ。
並んで花火見るところはベタで良いし、
ダンカンと2人でプールで過ごす1日も好き。
(ここでのオーウェンのチャカシもニクい!)
そもそもダンカンがなんで自分の母親含めて、
仲良くなれないかといえば、自分だけが疎外されているという
自意識に加えて、自分にあーだこーだ言ってくる
大人達の欺瞞にウンザリしているということ。
爆発するのがカレンの浮気が発覚するシーン。
このシーンの気まずさったらない。
しかも、スザンナにもrejectされてしまうというね…
行き場のなくなったダンカンはプールを訪れると、
従業員の送別会をやってるところ。
そこではありのままの自分をさらけ出し、
それを受け入れてくれる仲間がいる。多幸感満点。
ゆえにパーティー明けの朝方のシーンでの
これまでふざけてばっかりだったオーウェンの
セリフがまた泣かせるんだよね〜
彼の成長譚でもあるなぁと思って見てました。
またラストが沁みる構成でして。
家族内ではダメ扱いされていたダンカンが
プールではヒーローになっていて、
些細ではあるんだけど、それを見た母が取る行動。
ラストショットは「卒業」を思い出しました。
音楽も全編に渡って素晴らしく、
ソッコーでサントラ買いました。
公開予定立ってないみたいですけど、
チャンスあれば万難を排して劇場で見るべき映画!

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