2014年6月22日日曜日

ノア 約束の舟



予告編見る度に悪い意味で「これヤバいな〜」と思いつつ、

監督はブラック・スワンやレスラーの
ダーレン・アロノフスキーやから見とくかってことで見ました。
そもそもの「ノアの方舟」という旧約聖書の物語自体も
ボンヤリしか知らなかったからなのか、あんまり乗れなかったし、
中盤から一定のノイズがかかって楽しめなかったです…
キリスト教圏の人はまた違う見方になるんだろうけど、
たまたま神を真面目に信じていた男による、
独りよがりな蛮行にしか見えなかったんですよね〜
神がアダムとイブを作り、そこから人類が誕生した世界で、
ノアはその子孫。彼が夢の中で、あるお告げを受ける。
それは「洪水で人間は全員ぶっ殺すから、
お前さ、動物が逃げるようの舟作ってくんね?」というもの。
ガッテンでい!と言わんばかりに、
彼は自分の家族と神の使いである、
岩の巨神兵とともに舟の建設を始める。
大地の異変につぶさに気付いた動物たちは、
続々と舟へやってきては眠らされ、舟に格納されていく。
でも残された人類もおとなしく最期のときを迎える訳も無く、
アダム・イブの子どもであるカインの子孫、
トバル・カインを筆頭に舟を奪取すべく軍を形成していく。
この辺りから違和感があって、
ノアが家族以外の人類は汚れまくってて、
略奪や争いの中、どんなことをしても生き残ろうとする
唾棄すべき存在みたいに描かれているのが何とも…
テメエは舟に乗って生き延びるからいいけどさぁ!
そっから人類が舟を襲うシーンは
前述した思いをさらに強くするようなシーンで。
巨神兵が躊躇なく、人間をぶっ殺しまくる!
人形みたいに人間が飛びまくって、死にまくるという点では
おもしろいなーとは思うけど、欺瞞性が頭をもたげる。
それをさらに強調するのが息子であるハムの恋愛要素。
「動物はつがいなのに、僕にはいないの?」
という童貞コジラセ系エピソードなんですが、
それをローガン・ラーマンが熱演。
しかも、姉役はエマ・ワトソンという、
完全にウォール・フラワーの布陣なのは良かったかな。
そもそも神という実体の無いものが、
夢の中でお告げを与えてきたという二重に実体性の欠けたことで、
人間を皆殺しにする神経はなかなか理解しがたい。
いうても神話なので、突っ込んでもしょうがないんだけど、
宗教性を帯びているので、何かな〜と思っていました。
後半は、これまで述べてきた欺瞞をノアに突きつける展開。
それは本来病気で子どもを産めないはずの
エマ・ワトソンが妊娠するという想定外の事態が発生する。
人間がこれ以上産まれない完璧な編成だったのに、
ノアの計画が狂うことになる訳です。
「産まれた子どもが娘だったら、ぶっ殺す!」と言うものの
初めての孫だから、神からのお告げと現実で逡巡する。
これで前半とバランス取るかな〜と思いきや、
最期にあの決断だものね〜「ハンパやってんじゃねーよ!」
と見ながら声に出そうになりましたw
なかなか難しいな〜と思って見終わり、
秘宝を読んでたら、映画ライターの高橋ヨシキさんが
極めて分かりやすいことを書かれていました。
「聖書に出てくるノアさんは
マッドマックスみたいでかっこいいですよね!」
そういう見方をすれば、確かに楽しめる!

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