2015年5月3日日曜日

龍三と七人の子分たち



北野武監督最新作ということで見てきました。

まだまだフィルモグラフィーを全て見れている訳ではないですが、
劇場で見れるものは見ておくスタイル。
予告の時点でかなり高まっていたんだけど、
悪ふざけがこちらの想像を超えていて最高過ぎた!
ツッコミたくなる部分は多いけど、
それこそ野暮ってもんだよ!
アウトレイジは2010年代のヒリヒリした
ヤクザ像を提示した作品でしたが、
それと陰陽の陽をなすのが本作といっても
過言ではないように思います。
つまり、古びた昔ながらのヤクザが陥る
身もふたもない状況を笑うか/笑わないか。
本作はそういったジェネレーション/カルチャーのギャップを
ことごとく笑いに昇華させているのが好きでした。
主人公は藤竜也演じる龍三というヤクザ。
とうの昔に現役を引退し、息子家族との2世帯で暮らしている。
息子家族が旅行に行っているあいだに、
昔の仲間を招集し組を新たに作る。
一方で暴走族上がりの半グレ集団が
年寄りを騙くらかす商売をしていて…という話。
とにかくヤクザギャグ飛ばしまくりで、
それだけ見るのでも超楽しい!
映画の初め、家の前で龍三が木刀の素振りしてるところへ、
勝村政信演じる息子がやってきて、
その問答からして最高で指が2本ない理由でめちゃ笑いました。
タイトルにあるよう7人の子分なので、
7人のヤクザが登場するんですが、
どれもキャラ立ち抜群!
特に好きだったのが品川徹が唯一ハジキを持っていて、
Steve Mcqueenアコガレっていう設定の狂い具合。
中尾彬のしょーもない詐欺もしつこく繰り返してくるので、
反復の美学で笑えてくるからたまんない。
昔ながらのヤクザたちが現在のシノギである、
オレオレ詐欺や羽毛布団、浄水器の高額販売と対時し、
勢いでそれらを突破していきます。
まさしくジジイなめんなよのスタンス。
劇場が一番沸いたのはそば屋でのシーン。
龍三と近藤正臣演じるマサが
客の注文内容を巡って丁半を始めます。
何気なく始まるし、客がそば/うどんのどっち頼むという、
心底どうでも良い話なのにドンドン惹かれていく。
「天ざるでヤレルと思ってんじゃねーぞ!」
「年寄りのくせにカツ丼なんて食ってんじゃねー!」
という至極のパンチラインが最高最高!
あとオモシロかったのは藤竜也が
キャバクラのママのところに転がり込むシーン。
(ママが萬田久子という抜群の配役)
まさかのオカマ展開に笑わずにいられようか!
龍三率いる一龍会vs半グレ集団が激化するのは、
ある人物の死によるものなんですが、
その死人の使い方の悪ふざけが死ぬほどくだらなくて最高!
ここまでバカできる監督が他に日本にいるだろうか!
そしてテンションマックスのまま、
ラストのカーチェイスシーンへ流れ込む。
もうビックリするくらい車の速度が遅いのが衝撃で…笑
けれど狭い日本の街ならではの演出があって、
そこは見ていて楽しかったです。
とにかく笑えること必至なので、
なるべくたくさんの人がいる劇場で見ることをオススメ!

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