2015年3月30日月曜日

永い言い訳


永い言い訳

映画監督の西川美和の書き下ろし小説。
本屋で見かけてサクッと購入し、
電車でふわ〜と読み始めたら、
これがとんでもなくオモシロくて、
今年読んだ小説で一番好きでした。
これまでの映画同様に「喪失」にまつわる話。
大事な人に先立たれ、この世界に取り残された人が、
どういった形で生きていくかを
複数の視点を使ってエグり出していく。
本当に「エグる」という表現が正しくて、
救いを用意したかと思いきや、
次のチャプターで全く逆の考えを提示し、
読者に常に考えることを要求するような構成になっています。
主人公が自らの生き方を探す姿が痛々しくもあり、
天邪鬼な彼に共感しまくったがゆえに、
心を揺さぶられたなぁ…
小説で山ほど付箋したのは初めての経験でした。
装丁も美しいので是非本で読んでほしいです。

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