2018年1月10日水曜日

2018年1月 1週目

1月1日
朝起きて雑煮を食べて映画館へ。
ヘッドホンで自分のミックス聞きながら歩く。
元旦の街は全然人がいなくて自分が育った街だけど
ストレンジャーのように思えて仕方なかった。
C.O.S.Aの「1 AM in Asahikawa」が流れて
エモさ倍増でブチ上がる。サンクスまんじろー。
テアトル梅田で「わたしは、幸福(フェリシテ)」を鑑賞。



コンゴのキンシャサを舞台にしたアフリカの映画で、
かなり攻めの姿勢が見えて新たな映画体験だった。
まず、コンゴの日常が映画に収まっていることに
めちゃくちゃ興奮した。
最近、日本のテレビでも海外の秘境に行く番組あるし、
それこそYoutubeで見れるやんという
ツッコミもあるかもしれないですが、
叙情的に撮影されていることが重要な案件。
この映画は家族の話で、息子が交通事故で重症を負い、
治療費、入院費を集めるために併走する。
そこで映る街並みがかっこいいし、
なんといっても冒頭のバーでのライブシーン。
アフリカのグルーブと夜の街の相性の素晴らしさが
スクリーンから滲み出してしょうがない。
さらに音楽の豊かさも本作の大きな魅力。
いわゆるアフリカングルーブな、
リズム隊に特徴のある音楽だけではなく
オーケストラまで登場する。
この2つの音楽を昼と夜で使い分けていて、
音楽で街を定義していく姿勢に痺れてしまった。
(オーケストラの乱雑さよ!!)
これ見るためだけに映画館行ってもいいくらいだと思う。
他にも瞬発力が優れているシーンはいくつかあるんだけど、
物語の起伏がかなり少ないので、
途中飽きてしまうところも正直あった。
ただ家族の話は普遍的だし、
生活がそこに根付いていることを映画で知れるのは楽しかった。
そのまま早足でシネリーブル梅田まで移動し、
「勝手にふるえてろ」を鑑賞。



「これは俺の映画だ!」と見終わってから、
大きな声で叫びたくなる映画だった。
僕に限らず多くのオタク、もしくは「非リア充」に
ぶち刺さってしまうはず。
単純に小手先のギミックが優れているだけではなく、
特徴を抽出し、それを物語に還元しているところが最高すぎた。
そして主演の松岡美優のコメディエンヌとしての覚醒。
コメディシーンとウェットなところのバランスが
めちゃめちゃ整っているため、
主人公の感情とのシンクロ率が
物語が進むにつれてぐんぐんグイグイ上昇。
そして、あのラストカットへ。。
黒沢清監督のコメントにもあるよう、
間違いなく「映画的瞬間」が見られる。
彼女は化石や絶滅した生物へ無償の愛を注いでいるが、
それを自分の好きな映画や音楽に置き換えると、
映画で描かれる彼女はまるっきり
僕自身でしかないと思えてしまう。
生活する姿、飲み会での立ち振る舞い、
嫌なことに遭遇したときに「fuck」と繰り返す姿。
他人には厳しく要求するにも関わらず、
自分が他人にどう映るかをとても気にするし、
少しでも思い通りにいかなければ傷つく。
とてもハードに見えるけど、
実はガラスのようにソフトで脆い彼女が
恋愛に立ち向かっていく姿が見ていて楽しいし、
いつかの自分をどうしても重ねてしまう。
前半はかなりコメディな展開が多く、
彼女がどういった人間なのかを
街中の人と話すというミュージカルのような
演出を使いながら、おもしろおかしく話を進めていく。
その中で彼女があだ名をつけて、
人の名前をろくに覚えないというシーンが
何回かさりげなく描かれている。
(そのあだ名もとにかく最高なんだけど)
後半にかけて名前というテーマがフォーカスされ、
本作を貫く1つのテーマとして浮き上がってくる。
さらに後半にかけて前半で提示した光景、価値観が
すべてひっくり返る映画的カタルシスが最高に楽しい。
分かりやすいビジュアルの変化もあるんだけど、
最たる例が二の存在。
あきらかにうざいと思ってしまうキャラクターが、
唐突に愛らしい存在へと変化する。
そこからラブストーリーの階段を軽やかに駆け上っていく。
コアな映画好きが楽しめる瞬間もあるし、
ポップなラブコメとしても見れるなんて、
こんなバランスの邦画はそうそうない。
本当に皆に見て欲しい傑作!
興奮冷めやらぬまま友人と飲みに行く。
くだらないこと、近況を話しているだけで、
時間はあっという間に過ぎていく。
結構深酒したあげく、
かすうどんまで食べて相当仕上がった。

1月2日
昼過ぎに起床。ひたすら「A3」読みまくる。
社会が複雑であることをイヤというほど痛感する。
実家のカレーを食して、いざ帰ろうかと思ったら、
博多発の新幹線が遅延しているとの情報が。。
調べてみると自分の乗る新幹線は新大阪発でセーフ。
新大阪駅は阿鼻叫喚の図かなと思っていたけど、
全然そんなことなかった。
遅れた理由は飛来物(凧)が電線に引っかかったためらしい。
昭和か!という牧歌的な理由でほっこりした。
そして新幹線内で「A3」を読了。


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オウム真理教の起こした事件の当時は子どもだったので、
ほとんど知らないことばかりで勉強になった。
これを読んだのは森達也監督の「A」「A2」という
オウム真理教のドキュメンタリーを以前に見て、
とてもオモシロかったから。
読み終わってもう1回見たくなった。
地下鉄サリン事件を中心として
裁判、死刑執行が待たれている状況が続いている訳なんだけど、
オウム真理教が起こした事件の経緯が
裁判で明らかになっていない部分が多すぎることを指摘。
臭いものには蓋をという潔癖社会への足がかりとなったのは、
オウム事件であるという見立てとなっていた。
取材量と論理的思考という観点で見て、
かなり真実に近づいているような気がするし、
その迫り方がどうしたってオモシロい。
被害者の方もいるので難しいところなんだけど、
単純に死刑にして「なし」にすればOKなのか?
繰り返さないためには原因を
解きほぐさなければならないのではないか?
ということは本作を読むと納得する部分があるはず。
初めて夜遅くの新幹線で帰ったから、
かなりグロッキーで帰宅後即寝。

1月3日
昨日の新幹線で風邪に罹患したっぽく。。
録画しておいた「家ついて行っていいですか?」を見る。
年末スペシャルということで中身濃くて相変わらず最高。
大阪のやつはなんかしらんけど泣けてくるし、
代々木の一軒家に住んでいるおじいさんは永久保存版。
TVerでゴッドタンのマジ歌選手権を見る。
去年からすっかりハライチフリークなので、
どうしたって岩井さんのシーンが気になってしまう。
イクメンへの苦言のくだりと、
「子どものブログで金稼ぐ」というパンチラインが最高だった。
さらにフリースタイルダンジョンの年末スペシャルも鑑賞。
MC漢のトークスキルが最高すぎて、
それが一番オモシロかったかも。
(各チームに対する印象を聞かれた際のやつね)
誰もが言うと思うけど、
ムートンの決勝での返しが素晴らしかった。
英語を多用するムートンに対して、
「ひとこと言ったったー!」な展開から、
それを上回るかっこいい表現でのカウンターが鮮やか過ぎた。
今、一番早くアルバムで音源聞きたいラッパーの1人だ。
近所のブックオフで古本サルベージして(ブコウスキー200円!)、
サイゼリヤで飯食って帰宅。
地上波でやってた「君の名は。」を流し見して寝た。

1月4日
仕事始め。朝から劇的な体調不良で
最低限のことだけやって即帰宅。
帰宅後は鼻水と咳がドントストップで続くものの、
体力はかなり持ち直してよかった。
友達とスカイプして長々話し込む。
日記最高って話で、
Twitterが始まる前はmixiでみんな日記書いてたから、
もう1回ブログブーム来ないかと思っている。
FBにmixiの日記のリンク貼るという話で
深夜の謎のテンションで死ぬほど笑った。

1月5日
風邪引いたら早めのパブロンではなく、
早めの病院ということで近くの病院へ。
年明け1発目だからかなり待ちますよと言われたけど、
外出OKだったので一旦家に帰る。
もろもろ家事して1時間くらい経ったので病院に戻って、
星野智幸「呪文」を読みながら待機。
待っていると待合室にいる
全員の携帯から突然ファーン、ファーンと地震警報が鳴り出した。
すわっ!と思うものの誰1人慌てていなかった。
なぜなら、そんなことよりも自分の体がしんどいから。目の前のリアル。
そして、ここからまさか1時間半も待たされるとは思いもしなかった…
結局、本を読み終えてしまう。


呪文
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ずっと前にSession22で紹介されて気になってたものの、
読むタイミングなくやっと読めた。
潔癖社会が産むビジランテについての話で、
最近の社会背景を物語に取り入れていてオモシロかった。
村社会化が江戸時代レベルに逆行していることを
改めて物語を通じて見せつけられると、
悪夢的社会だなと思わずにいられない。
(本作における侍女子の登場はそういう意図だと理解した)
テクノロジーの発展がPost Truthを産んでしまった皮肉、
インターネットでの炎上の構造を鮮やかに
描き出しているところが好きだった。
また、本作でも北九州連続殺人事件の
松永被告の手口が引用されていて、
どれだけインパクトデカいんだ!とも思った。
星野智幸さんは初めて読んだので、他の作品も読んでみたい。
診察は超適当でこっちも薬欲しいだけなので1分くらいで終わった。
帰ってからはなるべく体を動かさないようにNETFLIXターイム!
(風邪を引いてても引いてなくてもやること変わらない)
最近話題になっている「ブラックミラー」を見る。



名前のとおり、ブラックユーモア炸裂しまくりで超オモシロい。
しかもオムニバス形式で1つ1つが別の話なので見やすい。
ただビンジウォッチングするには重たくて2話で打ち止めて、
「侠飯~おとこめし~」というドラマを見ながら、
この日記を書いている。
料理するときのちょっとした工夫みたいなのが
各話ごとに紹介されていてハムカツが無性に食べたくなって寝た。

1月6日
比較的早起きで買い出し。
体調不良で適当なご飯ばっかり食べてた+
「侠飯~おとこめし~」の影響でしっかり自炊するため
がっつり食材を買った。戻ってハムカツを作り、
ハムカツサンドで朝食。
土曜日の朝食を充実させるだけでQOL相当上がるのでおすすめ。
Do OverでのDJ JIN mixを聞きながら掃除。



次こそはDo Overの現場へ!という思いを強くする、
ナイス&スムースなミックス。
JINさんのオールジャンルミックスも
また独特のノリがあるんだよな。
(cro-magnonの人力ハウスを久々に聞いて超アガった)
この日もダラダラとブラックミラーを見る。
そして昨日と同じくマッドな気持ちが溜まってくるので、
息抜きに「キングコング:髑髏島の巨神」を鑑賞。



劇場で見ればよかった。。と死ぬほど後悔するほど、
最高の出来だった。ラフでラウドなコングが最高最高!
テンポがとても良いし、
未知の島での出来事という設定を
フルに生かした動物、先住民族の設定が
どれもむちゃくちゃオモシロい。
さらに、それらがストーリーと有機的に結びついていて無駄がない。
コングのアクションはキングの名に恥じない、
圧倒的カタルシスをもたらしてくれる。
ゴジラシリーズよりも全然好きだから、このノリでシリーズ化してほしい。
そして、本作の監督が「キングス・オブ・サマー」の
ジョーダン・ヴォート=ロバーツで、
脚本に「ナイトクローラー」のダン・ギルロイの名があり、
傑作になるべくしてなったんだなと納得した。
夜は丁寧にハンバーグを作って食べた。

1月7日
浅草の浅草寺まで初詣。人多すぎて死ぬかとった。
神様が仮に存在したとしても
こんなにたくさんの願い、いちいち聞いてられへんやろ。
近くのフェブラリーカフェというところで
クロックムッシュとブレンドコーヒーをいただく。
クロックムッシュなる食べ物の美味しさに目覚めた。
ホワイトソースとハムだけでのシンプルなやつだけど美味しい。
家でもできそうなので作りたいなと思う。
その足で、さらに合羽橋へ行って食器類を物色した。
以前から急須を何にしようか悩んでいたんだけど、
結局、南部鉄器に落ち着き購入した。
高いけど、そんなに買い換えるものでもないし良しとする。
あとはアカシア材のお皿と小鉢を購入。
たまにしか行くと散財してしまう合羽橋だった。
帰りに上野へ立ち寄り回転寿司を食べた。
100円じゃないところで寿司を食べると
異常なまでに寿司が美味しく感じるという
貧乏舌っぷりで楽しんで帰った。

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