2018年1月5日金曜日

12月 第3回

12月21日
行きの電車で別冊カドカワの又吉特集読了。


別冊カドカワ【総力特集】又吉直樹 (カドカワムック)

KADOKAWA (2017-11-22)

売り上げランキング: 15,858

映画版「火花」でもやもやした気持ちが晴れるような
とても充実した内容でオモシロかった。
キングコング西野との対談、火花についてのエッセイ、
武田砂鉄の論考がとくに好きだった。
仕事中はひたすら2017年産の音楽を聞きまくる。
今年はHIPHOPで好きな作品が多い。
あとモロにミックス、ラジオの影響が大きい。
知らない音楽と出会う方法として、
ミックスとラジオがベストなのかもしれない。
曲がかかった瞬間に興奮する感覚は
ストリーミングでアルバムを聞いているだけだと
なかなか出ないなーと思う。
こないだ寝落ちした「マギーズ・プラン」をDVDで鑑賞。



グレタ・ガーウィグ×イーサン・ホーク

という最高の組み合わせで、
家族の話なので好きに決まっている!と感じで楽しんだ。
予定通りに行く人生なんて存在しなくて、
常に様々な可能性が転がっていることがよく分かる映画。
あと、自立して生きる/人に支えられて生きるが
大きなテーマとして構えられている。
イーサン・ホークは家事をする夫として登場するんだけど、
浮気して別の女性と結婚すると家事を全くしない怠け者になる。
誰かに支えられると人間は途端に甘えてしまう。
一方で頼るのが上手い人というのもいて、
ジュリアン・ムーアはそんな奥さんを演じていて、
対照的にグレタ・ガーウィグは頼らずに生きようとする。
(物語の始まりから精子を調達して、自分で注入するという
究極の自立する姿勢を見せる。)
ラストのスケートリンクでの
2人の女性のスケートの上手さで、
作品のテーマを語っているところが好きだった。
つまり、自立できるかどうかということ。
1人で立てるならそれに越したことはないけど、
立てなきゃ人の力を借りてもいいでしょう?ってこと
人生は思い通りになんて進まない。

12月22日

来週始めから休みの人もいるのかと遠い目をしながら粛々と仕事。
仕事中はランキング考えるために2017年産の音楽を今日も聞き続ける。
諸々積み残しつつ、来週やればいいやという気持ちで帰宅。
帰宅途中でコンビニに寄ると背の高い白人男性が
アメリカンドッグを買っていた。
そして、コーヒー入れるカウンターにアメリカンドッグを置いて、
ケチャップ&マスタードを丁寧にかけていた。
最寄駅のいなたい中華料理屋で肉そばキメて、
借りたDVDが溜まっているので鑑賞。
1本目は「ヘドウィッグ・アンド・アングリーインチ」



むこう10年越しぐらいの鑑賞なので身構えていたけど、

むちゃくちゃ素晴らしかった。
とにかく音楽の強度がとんでもなく高くて、
展開に無茶があったとしても気にならないくらい。
ジェンダー論としても興味深くて、
性差別を頭ごなしにダメと言い聞かせるよりも、
これを見せれば多様であることがいかに豊かなことなのか、
ダイレクトに伝わる気がする。
愛しさと切なさと心強さとアングリーインチが詰まっていた。
続いて「牝猫たち」を鑑賞。



日活ロマンポルノのリブートシリーズで監督は白石和彌。

今年公開の「あの鳥〜」も素晴らしかったですが、
その助走となっているような作品だった。
デリヘル嬢が主人公で、それぞれの抱える背景を通じて
最近の社会問題を描いていくという内容。
当然ロマンポルノなのでSEXシーンはあるけど、
そこまで重たくないのでドラマに集中できる。
なんといっても舞台が池袋なのでアガる。
新宿や渋谷も行くけど、
家からもっとも近い都会が池袋なので、
見たことある風景に映画が溶け込んでいると、
それだけで楽しく思える。池袋のブルースがにじみ出てて、
映画の内容と街の空気がぴったり合っている感じが好きだった。
(池袋は田舎の空気を目一杯吸い込んだ都会だと思っている)
さらにM-1で優勝したとろサーモンも出演。
火花で好演していた村田は
本作でも良い味出してて他のどの役者よりも好きだった。

12月23日

早起きしようと思ったけど全く起きれず。
恒例のハライチのラジオの過去アーカイブを聞きながら、
家事をひたすたこなす。年末なので普段掃除しないところも念入りに。
昼過ぎに新宿へ。人、人、人だらけで大変。
とりま草枕でカレー。トマトチキンをオーダー。
いつもなすチキンの一択だったけど、
違うの頼んでみたら美味いやないか。
ディスクユニオンでレコード売って、
ビックカメラで赤白ケーブルを買ってそそくさと一旦帰宅。
近くの公園、図書館までブラブラして、
その近くのモール的なところで
割れてしまったコーヒーサーバーを買った。
生粋のKalita派なんだけど、
よく割れるからHARIOに乗り換えてみた。
さらにGUに寄って寝間着を買う。
いつからか知らないけどセルフレジになっていて、
しかもバーコードを読ますのではなく、
箱に商品ぶち込んで読み取るという乱暴なシステムに驚いた。
ディスプレイの案内だけではどうしていいか分からず、
まごついていると、若い女の子に、
「はい、商品を下に入れましょうね〜」
と介護されているかのように教えてもらってた。
もうおじさんなんだな、と強く実感した。
帰ってからはNETFLIXで公開された「ブライト」を鑑賞。



監督はデビッド・エアー、

スーサイド・スクアッドの汚名を晴らせるか?!
と心配してたけど、良くなっていたと思う。。。
魔法を巡る話でベースはSFなんだけど、
その要素が高まるのは終盤だけで、戦いはほとんど銃火器戦。
それはデビッド・エアーの得意とするところだし、
重たい銃撃戦は見ててオモシロかった。
スローショットもここぞ!というところで使っていて、
それが映画のハイライトになっていると思う。
また、オークと呼ばれる怪物との共生を描いていて、
それはもろに60年代のアフリカ系アメリカンの扱いで、
トランプの登場による不寛容さが
エンタメに与えている影響が大きいなーと感じた。
デビッド・エアーにはエンド・オブ・ウォッチみたいな作品を
再び撮ってほしいと切に願う。
それよりも何よりもGUで買ったもふもふタイプの
寝間着が暖か過ぎて少し引いた。もっと早く買えばよかった。

12月24日

喫茶Youでオムライスを食べに早起きして銀座へ。
いつも行列できているから、早めに行くとすぐに入れたけど、
それはタッチの差で入った10分後には行列ができていた。
ふわとろ系のオムライスでとても美味しかった。
東急プラザをブラブラしていると、
めちゃめちゃかっこいい時計があって、
なんとなくノリで買ってしまった。衝動買いは禁物なのに。
帰宅して録画してたザ・ノンフィクションを見る。
北九州連続監禁殺人事件の犯人夫婦の
息子に対するインタビューというとんでもない内容。
顔は隠しているけど、声はそのままだったので
ナマナマしさ、彼の思いの丈が伝わってきた。
僕がこの事件を知ったのはウシジマくんで題材として
描かれていたからで、まさか現実の事件を題材にしているとは
想像もつかなくて本当に驚いた記憶がある。
亡くなった人の数というよりも、手口の陰惨さがもう。。。
その事件の主犯夫婦の息子として生きるなんて 、
本人は悪くないのに辛すぎると思う。
犯罪加害者の家族がおかれる立場の過酷さは目に余るけど、
じゃあ、のほほんと生きている姿を見て黙ってられるのか?
と言われれば、それもまた難しく。答えの出ない禅問答みたいな。
イブに見て目がさめるような気持ちだった。

12月25日

メリークリスマス、ミスターローレンス。
今日から休みの人も多いのか、心なし電車が空いていた。
磯部涼の「ヒーローはいつだって君をがっかりさせる」を読んでいて、
完全に心は2000年代前半にあって、MSCを聞いたりしている。
帰宅してから菊地成孔「粋な夜電波」を聞く。
久々の韓流最高会議。自殺したアイドルへの追悼から始まり、
最新の韓国の音楽と日本での消費のされ方などが話されていた。
この曲、超好き。



USの音楽の要素がしっかり入っていて、

それがポップスとして機能しているだなんて幸せなことだなーと。
(ただ、ゲストの2人から伝わってくる韓国至上主義感が強すぎて、
少し引いてしまったところもある。)
こんな感じで駄話レベルでどんなものがあるか知れる
メディアがもっとあってもいいなーと思うし、
それがやりたくて2,3年前に友人と話したものを書き起こして、
webにアップしてたんだよなーファンジン的な意味で。
twitterもいいけど、あくまでタイムリーなものなので、
アーカイブの観点で見るとなんだかなぁと思う。
「ウォードッグス」をNETFLIXで鑑賞。



ハング・オーバーシリーズのトッド・フィリップス監督最新作。

笑わせる部分もあるけれど、実話ベースということもあり、
基本シリアス路線で新境地だった。
ただ海外で調子乗るやつという点では共通しているかな?
イラク戦争時に武器輸出でいっちょ金儲けしようとして、
どんどん泥沼に足を突っ込んでいく話で、
主演がマイルズ・テラー×ジョナ・ヒルという組み合わせで最高。
とくにダークサイドのジョナ・ヒルって
あんまイメージなかったけど、しっかり悪いやつで良かった。
(ブラッドリー・クーパーの贅沢使いも最高)
戦争はマッチポンプなのだぁ〜という陰謀論めいた話には
身構えてしまうけど、これは実話ベースで
やっぱりあのブッシュ政権はめちゃくちゃだったんだ、
という歴史考証の意味でも優れた作品のように思う。

12月26日

仕事中にゴリラズのメンバーであるnoodlesのミックス聞いてたら、
女の子が日本語でラップしている曲がかかって驚く。
Kero Kero Bonitoの「Sick Beat」という曲だった。



イギリスで活躍しているアーティストらしく、

インタビューもwebで見つけた。
逆輸入パターンで売れそうな気がするけど果たして?てかもう売れてる?
ブログにて音楽ベスト30と映画ランキングを公開。
音楽については、mixcloudで新曲知って深堀りという
新たな音楽との出会い方を知ったことが大きく影響している。
3ヶ月100円につられてSpotifyにも加入してみたけど、
使い方がしっくりきていない。。
Apple Musicに慣れすぎているのかな?
本当はストリーミングをSpotify、ローカル再生をiTunesにする
というのがベストだと思っているんだけど、
Spotifyのカタログの弱さが気になるところ。
一方、Apple Musicはカタログ充実してるけど、
自分のライブラリと結合したときに曲が落ちたり、
ジャケットむちゃくちゃになったりするので、そこが嫌すぎる。
なんてことを考えていると、人の音楽の聞き方を体系立てて
情報集めてみたいなーと思ったりした。
映画のランキングは参考程度で。。

12月27日

やる気が出なかったので、なんとなく午前休。
FD見ながら日記を書いている。
晋平太好きじゃないけど般若とのバトルは
どうしてもウルっときてしまうよね。
夜は会社の人と飲み会。ざっくりした今年の話をしていた。
途中からホモサピエンスとしての
本能、真理みたいな話に収束していったところが
なぜだったのか、全く記憶にない。
磯部涼の「ヒーローはいつだって君をがっかりさせる」を読了。


ヒーローはいつだって君をがっかりさせる
磯部 涼
太田出版
売り上げランキング: 203,043


僕がヒップホップを本格的に聞き始めたのは2006年ごろで、
ちょうどその2,3年前の日本のラップシーンについて
書かれていてとてもオモシロかった。
当時の評価と現状を比較して考えると、
磯部涼の一貫性と先見の明がよくわかる1冊。
インターネットが今ほど発達する前夜、
雑誌が情報源だった時代を懐かしく思う。
インタビューもオモシロいけれど、
それよりも磯部涼の論考がオモシロい。
ライターと一口にいっても様々なタイプがいて、
アーティストの代弁者みたいなのもいるけど、
やっぱりヒリヒリしたところが読みたい。
それにはジャーナリズムへの理解深まる必要性があったり、
ハードルが高いのは重々承知なんだけど。
その点でいえば、この動画が示唆的だと思う。



12月28日

昼頃に大阪へ新幹線で移動。
いつもA席で隣に人が来ないことを祈っていたら来なくて安心。
「ラビング」を鑑賞。ジェフ・ニコルズ監督の最新作。



肌の色が違う2人の結婚を巡る人種差別の話で興味深かった。
文明がある程度発展した段階で
このレベルの差別が群レベルとはいえ、
法律としてまかりとおっていた世界は
なかなか抜本的な解決を迎えるのは難しいのかもと思ったりした。
苦境に負けないで戦った家族の物語ではあるのだけど、
ジェフ・ニコルズ独特のタッチがさらに物語を雄弁にしていた
新大阪に着いて一旦実家へ帰宅し梅田へ。
eイヤホンでヘッドホンを修理に出す。
ことのほか重症だったようで、
店員さんとあれやこれや議論しながら、
とりあえず根元部分を交換するということで落ち着く。
待ち時間にイヤホン、ヘッドホン見ていたけど、
めちゃくちゃ種類があって楽しかった。
今はSONYのベーシックなやつ使っているけど、
ワイヤレスへの憧れがあるもののワイヤーへの信頼感も捨てがたい。
なにかオススメあれば教えてほしい。
夜は友人と今年読んだ本を語らう会。
今年はちょくちょく情報交換していたので、
被っているところもあったけど
同じ本でも語り口が違うとオモシロい。
2人して一致しているのは「降伏の記録」の「白いページ」はヤバい。
結局5時間近くだべって散会。

12月29日

修理に出したヘッドホンを受け取り、
諸先輩方々と昼過ぎから飲み始める。
久々に会う人も多くて色んな話ができて楽しかった。
僕が出会ったのは20代前半で、
そのときと人生のステージが大きく変わっているのだなーと思う。
逆に自分が20代前半の人とどこまで話せるのか、
などと考えると仲良くしてもらっていること自体がありがたい話。
途中、ナイスな新譜が揃うAlffo RecordsでH.E.Rの2LPをゲット。
好きな曲をレコードで買うのは調子がいいもの。
店主の2017年音源のmixも貰って退散。
そのあと、また飲みに行って結局2時ぐらいまで痛飲。。
最後のほう、仕事の話をすごい真面目にしていたけど、
どうやって帰ったかは、お ぼ え て な い。

12月30日

壮絶な体調不良 a.k.a 二日酔いで起きたら夕方。
飲みの誘いがいくつかあったけど、全く動くことができず死んでた。
後輩と作ったミックスを何とか年内に!という思いで、
mixcloudにアップロード。


本当はもう1人参加してくれる予定で、
それが揃うと2017年をかなり網羅する感じになっていたので、
来年やるならもう少し動き出し早めにしようと思った。
あとはベッドでひたすら森達也「A3」を熟読。
2017年末にオウムについて考えるなんて想像もしてなかった。

12月31日

今年も今日で終わり。かなり体力回復。
墓参りしてからおばあちゃんの家でダラダラと過ごす。
我が家はメインはガキ使、ときどき紅白といった感じで、
安室奈美恵は見ることができた。異世界だった。
(三浦大知を見逃して後悔。。)
ゲラゲラ笑っている間に年を越していた。
おばあちゃんが「家ついていっていいですか?」を
よく見ているという話を聞いて2人で盛り上がった。
帰ったのが1時ごろだったので、
どこか出かける元気も全くなく再び 「A3」読みながら就寝。
こんばんわ、2018年。

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