2018年1月22日月曜日

2018年1月 3週目

1月15日
1週間が始まる。
行きの電車で綿矢りさ「勝手にふるえてろ」読了。


勝手にふるえてろ (文春文庫)
綿矢 りさ
文藝春秋 (2012-08-03)
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映画が好きすぎて原作も読んでみたけど、
この原作からあの映画を作った監督の手腕、
やっぱり素晴らしすぎる。
原作ありきの映画が跋扈する世の中で、
忠実になぞるタイプの作品はやっぱりつまらなくて、
監督の解釈と現状に合わせたアップデートが必須で、
両方とも鮮やか過ぎるくらいにクリアしてた。
読み終わって再び映画を見たくなっている自分がいる。
もう1回くらい劇場行っとくかなー
それよりもキングスマン見なきゃ。
月曜日はあっという間に時間が過ぎ去っていく。
明日、打ち合わせ参観みたいなことをせねばならず
憂鬱と共に帰宅。
菊地成孔「粋な夜電波」を聞く。通常運転のフリースタイル。
先週はノンストップDJだったので、適当に聞き流してたけど、
今週は紅白を含む正月の話がオモシロかった。
あと、Jamila Woods「Heaven」が超いい曲だった。
Chance The Rapper周りの才能はどれもブリリアント。



1月16日
普段とは違う会議に色々参加した日。
皆がそれぞれ違う立場で仕事をしていることを痛感した。
夜は会食で年配の人の話を聞くと、
なんだかんだ為になる話も多かった。
最後は恵比寿の天一で深酒で帰りはタクシーで帰宅。
深夜に乗る長距離タクシーの背徳感は格別だ。
ちなみに乗ったタクシーがワゴン型だった。
(値段は普通のタクシーと同じ)
タクシーの運転手がワゴン型である説明をしてくれて、
東京オリンピックに向けて車両変更が進んでいるらしい。
車椅子が乗りやすいとかバリアフリーを目指してとのことだった。
オリンピックが開催される2020年にすべてが変わる、
みたいな思想は大嫌いなんだけど、
グローバルな視点に晒される
という意味ではいいのかもしれない。

1月17日
朝、ブラスト公論メンバーのタマフルを聞いた。
ブラスト公論で人生狂わされた側の人間としては、
この空気感はやっぱり最高。
(文庫版はまだ入手できていないけど)
午前中は打ち合わせをこなした。
遅くまで残業。帰り道に聞いたRejie Snowの新譜が最高。


このEPは序章でフルアルバムがリリースされるらしい。
アイルランドのラッパーで去年出た
「The Moon & You」で存在を知ったのだけど、
Good MusicなHIPHOPなので大好き。
今回の1曲目がKaytranadaプロデュースの
低体温なブギーが超クールでイケてるし、
最後のThe Rainもしっとりな曲で良し。
帰ってチキンドリアが食べたくなって作った。
そこそこ時間かかってしまい、
食べてから満腹感に支配されてすぐに寝た。

1月18日
ラジオクラウドで昨日のタマフルの延長線を聞く。
公論クルーのバイブスは忘れていた、
イルネスを取り戻させてくれる。早く文庫読もう。
行きの電車で中村文則「惑いの森」読了。


惑いの森 (文春文庫)
惑いの森 (文春文庫)
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中村 文則
文藝春秋 (2018-01-04)
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50のショートショートが収められていて、
今までの作品と異なる作品集だった。
これから何か物語が始まりそうと思ったところで、
終わってしまう寸止め感が先を想像させてくれて逆に楽しい。
また、短編同士がゆるやかに繋がっているので、
その行間も楽しむことができるので二度美味しい。
ちょうど「教団X」執筆中の作品なので、
教団にまつわる話が多いところも特徴的で、
もう1回読みたくなってきた教団X。
さらに挿絵もあって、この挿絵がもう何とも言えない塩梅で。
電車で横の人に見られると「まずい」タイプの
マッドネスが溢れていて物語とマッチしているのが最高だった。
今日も会社の飲み会。
普段そこまで話さないメンバーだったのでオモシロかった。
帰りにSpotifyで2018年の好きな曲のプレイリストを作ってみた。



月ごとにしようかと思ったけど続かなそうなので年間で。
更新していくので、適当に聞いてみて。
そもそも3ヶ月100円キャンペーンに釣られて入ったので、
それが終わるまでにApple Musicにするか、
Spotifyにするか決めなければ。。
(本当にSpotifyに慣れることができない…)
帰って逆に目が冴えて
ハライチのラジオを聞いたあとに就寝。

1月19日
朝、いつも通り歩いて通勤してたら、
コーヒースタンドでモデルの人が大所帯で撮影していた。
大阪だとたくさんの人だかりになるんだろうけど、
そこは東京なので多少人がいる程度だったし、
自分自身も立ち止まらなかった。
TVやネットで話題になればすぐにとびつき、
列をなすミーハー魂を持っているのにね。
と思うけれど、そんなときにいつも思い出すのは
SALU「BURN IT」という曲のリリック。

馬鹿なシステムにムカツクのに
馬鹿なシステムの中のその一人

QNの新譜「春の嵐の中で」の
ストリーミングが開始されていて、
ひたすら聞きながら仕事。



サンクラ既出曲も多いんだけど、
ミックス、マスタリングの結果なのか、
音に迫力が増しているしサウンドが最高。
ひねくれまくっていた異端児時期から、
懲役を経て一皮向けた素直な曲が多く、
それもまたフレッシュ。1stの頃に近いかも。
OMSBとも和解したみたいだし、
SIMI LAB戻らなくてもいいから、
フットワーク軽い音楽を聞きたい。
仕事終わりに
「キングスマン ゴールデンサークル」をやっと鑑賞。



久しぶりにゴテゴテ感たっぷりの海外映画見たわー!
といった感じでフライデーナイト向きの映画だった。
文字通り、いや露骨過ぎる破壊→再生からの物語であり、
イギリスからのアメリカ批評でもあり、アクションはすごい、
というてんこ盛りの内容。(ただ2時間半は少し長い)
Prince「Let's Go Crazy」を下敷きに
とめはねがきっちりしながらも、
超高速テンポで展開される
最初のアクションシーンが素晴らし過ぎた。
これで嫌いになる人はいないと思う。
お話の流れとしてドラッグカルテルのボスが、
そのドラッグにウイルスを紛れさせて
世界中の人を感染死させようとするのを
キングスマンが止めようとするお話。
大麻合法化の流れがアメリカで進んでいる中で、
この設定というのがオモシロいし、
そのボスを演じるのはジュリアン・ムーアで、
彼女の自尊心を満たしたい欲望が
「いいね至上主義社会」のいかにも21世紀な話題だと思う。
不寛容社会への言及はドラッグの使用で感染するという設定で表現。
つまり、少しでも逸脱したものが罰を受けてしまう世界は
あまりに理不尽過ぎるということだ。
(エグジーの彼女であるプリンセスも感染してしまう!)
物語の進め方でいえば、ご都合主義な部分が
かなり目につくのだけれど、たとえそうであったとしても、
コリン・ファース演じるハリーの復活はとても嬉しかった。
「Manar makes a man」が再び聞けるとは!
あと、今回はアメリカ版キングスマンである、
ステイツマンが登場し、そこのスパイとして、
チャニング・テイタムが登場。大活躍かと思いきや、
ほとんど冷凍されてたので少し残念だった。
一方で、NETFLIX「ナルコス」で
ペーニャ捜査官を演じていたペドロ・パスカルが大活躍!
ナルコスでは非常にアンビバレントな役で、
繊細な感情を演じているのに対して、
今回はアホっぽい役を全力で演じきっていて、
それはそれで素晴らしかった。
(エルトン・ジョンの雑な使い方も最高最高!)
そして、ローガンラッキーに続く
「カントリーロード」使いには驚いた。
涙腺が刺激されたのは言うまでもなく…
語りしろがかなり多い映画なので総じて楽しかった。
とりあえずスーツ一式、新調しようと思う。
帰ってFD録画を消化。
UZIの逮捕でZeebraが選ぶ神バトル特集に内容が差し替えられてた。
ネット上では色々沸いているけど、
Zeebraの悲しみを秘めた眼差しが切なかった。
曲中、バトル中で大麻(weed)についてあれだけ言及しているのに、
司会していただけのUZIが捕まっちゃう不思議。
それにしても600gって多くない?!

1月20日
全然起きれなくて昼過ぎに起床。
録画してたテレビを見ながら、作ったそばを食べた。
anoneの第2話の物語のスイングっぷりがすごくて、
この方向へと流れていくのか?という驚き、
当然持っているセリフの繊細さが心に刺さった。
「あなたは国なの?」というセリフがとても印象的。
そして、見た後にこのエントリーを読んで2度楽しむ。
アンナチュラルも第1話だけTverで後追いで見たのだけど、
もろに日本のTVドラマな文法が見ていて
しんどかったので見ないかなー
家から一歩も出たくない病が発動したので、
Youtubeサーフィンしてたら残酷に時間が過ぎていった。
それにも飽きたので映画でも見るかと思い、
NETFLIXで「グッド・タイム」を鑑賞。



去年、映画館で見たかったけど
見れなかったのでフォローアップ。
NYに暮らすいわゆるホワイトトラッシュの兄弟が
なんとかサバイブしようともがく姿に心打たれた。
障害を持つ弟を救いたいという至極まっとうな動機なんだけど、
それが悪い方向へとどんどん転がっていくのが切ない。
とくにかっこよかったのは車での移動の際の空撮。
ドローンなのかな?だとしたら、
そうとは思えない滑らかさとNYの夜の美しさが収まっていた。
あとは音楽のかっこよさ。レフンを思い出させる、
アシッドな音楽の数々が素晴らしかった。
(カンヌのサウンドトラック賞を受賞したとのこと)
エンディングの曲と、ライン(一線)を越え続ける
弟の姿はかなりぐっときた。
前作の「神様なんかくそくらえ」も早く見よう。
寝る前に尾崎世界観「祐介」読了。


祐介
祐介
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尾崎 世界観
文藝春秋
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水道橋博士のメルマガで連載していて、
「こんなことまで言ってしまうのか?!」
という内容がとてもオモシロくて昔からファンだった。
(音楽はそこまで好きになれてないけど、
5%という曲がとにかくめちゃくちゃ好き)
本作はバンドマンが主人公なので私小説なのかな?
彼のダークサイドが炸裂しているし、
ミュージシャンが書いたとは思えない文章でオモシロかった。
それは文体や言い回しもそうなんだけど、
冒頭に挿話されている話の情景描写があまりに鮮烈過ぎた。
本屋で「祐介」を小説の棚ではなく
タレント本の棚に置かれていることに
日記で苦言を呈していて、その気持ちが痛いほど伝わった。
読んだ人間はタレント本のコーナーに置かないはずだから。
売れないミュージシャンの痛みが題材になっているので、
又吉の火花とシンクロする部分が多分にある。
ただ、火花よりさらに鋭利な角度を持っているので、
好みは分かれるかもしれない。僕は大好きだった。
眠る前に読んでいたんだけど下の階から大きな声で、
ハッピーバースデーを全力で歌う女の人の声が聞こえてきて、
これが孤独かと思いながら就寝。

1月21日
早起きして池袋で所用で人に会う。
1時間くらいで済むかと思ったけど
結局2時間ぐらい話してた。人生いろいろ。
上野へ移動してぶらぶらと。
昼ごはんはクラウンエースでカツカレー。
チープタイプのカツカレーで美味しかった。
そのあと御徒町に新しくできたパルコヤへ。
最近ハンカチ集めているんだけど、
このパルコヤにも好きなハンカチ屋の支店ができていた。
そしてmomoko japanという人の新作が売っていて衝動買い。
way to pondというタイトルの緑豊かなやつを買った。
手を拭くという行為に特別感をもたらすハンカチが今アツい。
んで、上の階にあるTOHOシネマズ上野で「嘘を愛する女」鑑賞。



上質なサスペンスと高橋一生×長澤まさみという
旬な主演2人の演技の迫力で楽しく見れた。
原作のある作品ではなくTSUTAYA CREATORS' PROGRAMで
最優秀賞となったオリジナル作品が
ここまで宣伝されて劇場でかかること自体が最近だと珍しい。
本作の中江監督は今回が初めての劇場長編作。
新しい才能がこれだけ大きなバジェットの作品で
監督できる機会があることが健全。
最近のハリウッドの若手抜擢パターンとは違うけど、
こういった映画がたくさん見れると邦画も健全になるのかも。
つまり本物だけが最後に残る。
肝心の中身とはいえば謎解きでかなり引っ張っていて、
さらにその謎の背景が社会情勢に
踏み込んだ内容で意義深いと感じた。
嘘にまつわる物語は、何が本当か分からなくなりやすい、
今こそ語られるべき物語なんだということがよく分かる。
その中で大切にしなければならないのは
目の前にあるものであり、良い悪いでもなく、
好き嫌いという尺度こそが必要で大切だという
メッセージはその通りだと思う。
撮影が全体に素晴らしく、とくに瀬戸内入ってからの
ロングショットはどれも映画館で見てグッとくるタイプのやつ。
圧巻はラストシーン。長澤まさみが昏睡状態の
高橋一生に1人で問いかけるシーン。
ワンカットでじりじり2人にズームしていき、
そこで彼女の感情が炸裂していた。
謎解きも面白いとは全体に少し冗長な気もするのだけど、
観客の心をぐっと掴むシーンが1つでもあることで、
映画への信頼感は大きく増すなーと思った。
エンディングで歌う松たか子の曲の歌詞が刺さるなー
と思っていたら坂元裕二だった。もう抗えない。
帰りに御徒町の小綺麗な居酒屋で
食べたホルモン料理の数々がとても美味しかった。
帰ってから無印で買った収納グッズを使ったら、
とても整理されたのでいい加減に綺麗な部屋にしたい。
収納先が常にあるくらいの余裕を持つようなね。

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