2015年12月9日水曜日

独りでいるより優しくて





イーユン・リー最新作。
タマフルで紹介され初めて存在を知り、
読んでみたらとてもオモシロくて、
海外文学を積極的に読むきっかけになった、
思い入れの強い小説家の1人です。
(読んだことない人には千年の祈りをオススメ)
そんな彼女の新作長編ってことで読みました。
TVや新聞のニュースからは伺い知れない、
中国の方の生活、風俗、考え方を肌で感じられるのが
彼女の小説を読む楽しみの1つなんですが、
本作でもそれは健在でした。
本人がアメリカに住んでいることもあり、
主人公3人のうち2人がアメリカに住んでいる中国人。
ゆえに相対的に中国が見えてくる。
原題はKinder Than Solitudeで、
邦訳が本当に見事だなぁと惚れ惚れ。
幼馴染3人にとって姉御のような存在の女性がいて、
彼女が毒にやられてしまう。
その3人の仲よかった子どもの頃と、
現在の生活をクロスオーバーしながら描かれています。
僕自身、1人でいることが好きなので、
彼、彼女達が「積極的孤独主義」とでもいうべき
言動を取ることにとても共感しましたし、
皆で仲良くできることが絶対的正義なのか?
ってことも考えさせられました。
(日本でサラリーマンしてる人間にとっては
ダメな思考回路でしょうけど。笑)
年を取ったときにも読み返したくなる1冊でした。

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