2015年12月26日土曜日

ストレイト・アウタ・コンプトン


本作にインスパイアされ16年ぶりにドロップされた、
DR.DREのニューアルバム「Compton」が
ハンパなきアルバムだったがゆえに
俄然見たい!と思いクリスマスイブに見てきました。
もともと90年代のヒップホップはかなり好きなんですが、
あまりWest sideものは聞いていなくて、
それよりもNY産のハードで煙たいサウンドが好みだったので、
どこまで乗れるかな〜と思っていましたが、
そんな心配をすべて吹き飛ばす快作!
むしろ映画を見たことでWest Sideものが好きになり、
映画見て以来、毎日のように聞いていますし、
「Strait Outta Compton」を聞きながら、
クリスマスイブのを闊歩するのは最高にグッときました。
お話としては前述のDr.DREも所属した
アメリカ西海岸を代表するHIPHOPグループである
N.W.Aについて結成からメンバーのEAZY-Eが
亡くなるまでを描いたものです。
EAZY-Eがまだギャングとして
ドラッグディールを生業にしているところから始まり、
そこで放たれる
You're now about to witness the strength of street knowledge.
タイトルにもなっているStraight Outta Comptonという曲の
冒頭でDREが放つ金言でガン上がり!
前半は各メンバー(主にDre,EAZY-E,ICE CUBE)の背景と
N.W.A結成〜人気が出るあたりまでを描いていきます。
メンバーのうち、本当にギャングだったのは、
EAZY-EとMC RENだけで他は貧しい音楽を愛する若者だったと。
才能とお金が結集しN.W.Aが形成されていく過程が
とても興味深いし勉強になりました。
特にICE CUBEはインテリってことは知ってたんですが、
1枚目のアルバムの歌詞を
彼が担当していたことは知らずビックリしました。
EAZY-EがBOYZ IN THE HOODで初めてラップを録音するところは、
自分のリリックではないにせよ、
それを体得していく様、プレイヤーになる瞬間が
丸ごと収まっていてオモシロかったです。
N.W.Aはハードなリリックが共感を呼び人気者となり、
全米を巡るツアーを行うまでに成り上がります。
ツアー中のどんちゃん騒ぎ、デトロイトでの逮捕、
FBIからの警告、DREの弟の死と見所山盛り。
デトロイトでの逮捕は
ファーガソン、ボルチモアと21世紀とは思えない事態が
続々と起こっている中では響くものだし、
Protest SongとしてのFuck the Policeはめちゃかっこいい!
後半はN.W.Aがお金や権利を巡って
崩壊していく過程が描かれています。
ICE CUBEはソロで成功するし、
DREはシュグ・ナイトと組んでDeath Rawを立ち上げ、
屈指の名盤The Chronicを産み出す。
(ビギーの自伝映画でも怖かったけど、
本作のシュグ・ナイトのサグっぷりも超怖い)
一方のN.W.Aは2人の音楽的才能を失い失速していく。
本作の最大の魅力は崩壊していく過程の中での、
ICE CUBE、DRE、EAZY-Eのキャラの魅力でしょう。
とにかくEAZY-Eの不器用さが本当に愛おしくて。。。
一番好きだったのは、街をドライブしているときに
The Chronicのポスターを見かけるシーン。
彼のやっちまったなーという顔と、
夜の街の美しさの対比が超かっこよかったです!
またICE CUBE役を彼の息子が演じているのポイントで
あまりに似過ぎていて笑えてくるし、
インテリかと思いきやバイオレンスな側面も。
DREは超イイやつとして描かれていて、
音楽と常に接し、愛しているのがビンビン伝わってきました。
キャスティングでいうと
見た目の似てる似てないに結構隔たりがあって、
Snoop Dogは似てないけど、2Pacは激似過ぎ!
こういったキャラクターの魅力とともに
N.W.Aの変遷と社会状況を知ることができる作りで、
一概にかっこいいだけではないのも良かったです。
またラストがWest Sideの過去から現在への流れと、
Straight Outta ComptonのPVが流れてサムズアップ!
何者でもなかった若者たちが、
音と言葉で世界を変えてしまうヒップホップの魅力が
120%詰まった最高の作品でございました!

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