2015年10月2日金曜日

白いしるし


西加奈子作品。
「通天閣」を人に借りて読んだのが初めてで
その後「きいろいゾウ」を読んでからというもの、
すっかり彼女への興味がなくなり、
ここ数年は全く読んでいませんでした。
しかし!直木賞を受賞したサラバ!を読んで
それはそれは感激、感動しまして…
西加奈子さんマジでごめんなさい!
そして偏見ダメ絶対!という気持ちを強くした次第です。
(サラバ!の感想はまた改めて…)
前置きが長くなりましたが、
ちょっとずつでも読んでいこうと思って、
人に借りて読んでみました。
恋に溺れ身も心もボロボロになる
30代女子のお話なので好きなタイプの話ではないんですが、
登場人物の間島という男の魅力が凄まじい。。
女子視点で男のカッコよさが
こんなにビシバシ伝わってくる人物描写を
読んだことがなかったので新鮮でした。
あと表現と批評の関係に関する考察も好きな部分で、
主人公の夏目のセリフを引用するとこんな風。

自分のエゴにおいて、私はこの作品を好き、
私はこの作品を嫌い、て。
エゴなんて微塵もないふり、
これは一般的な意見なのだ、という顔をして、
作品を批評する人より、全然立派やと思うんです。

主人公の夏目の言葉から引用ですが、
「良かった/悪かった」よりも「好き/嫌い」
ということは映画、音楽、本などと接したときに
大事にしている気持ちなので、とても共感しました。
多作家なので他の作品も読んでいこうと思います。

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