2015年10月6日火曜日

ハンナだけど、生きていく!



フランシス・ハのグレタ・ガーウィグ主演で、
ドリンキング・バディーズ
ジョー・スワンバーグが監督ということで見てきました。
アメリカのインディ映画のジャンルの1つである、
マンブルコアど真ん中の作品なので、
インディー感バリバリでしたが、
それだけに終わらず見所があったと思います。
モロにドリンキング・バディーズの
プロトタイプといってもいいと思います。
主人公はグレタ演じるハンナ。
彼女は脚本家を目指している女の子で、
彼氏もいるんだけど、その彼氏が仕事を辞めてしまう。
そんな彼氏に愛想をつかし、
職場の同僚と恋に落ちていくもの…という話。
映画が始まってすぐに裸の男女2人が
風呂場でふざけてる様子をホームビデオか!
っていうレベルの映像で展開していく。
本作は2007年に作られた作品なんですが、
2010年代にかけて高品質カメラが
お値打ち価格で手に入るようになる直前の作品。
(フランシス・ハはその恩恵の作品ですよね)
ハンナを中心に物語は展開し、
周りの男子が彼女に翻弄されるという意味で、
ドリンキングのプロトタイプかなと思います。
劇中で合計3人の男と関係を持つわけですが、
最初の彼氏の何かイケていない感が好きだったな〜
TELしながら近づいてくるところは、
間とショットの角度が絶妙で最高!
その後の2人は会社の同僚で
いつも3人で仲良くしていたところを、
ハンナがそのバランスを崩してしまいます。
職場の同僚である2人の男がとても魅力的で、
働いてんのか…?っていうくらい、
常にふざけ合っていて、それを見てるだけで楽しい。
(マッチョのフリするシーンは爆笑した)
けれど、ハンナが1人の男性と一線を超えたことで、
3人の関係がギクシャクしていき、
パワーバランスが変わっていく中での
各自の態度の変容ぶりも大きな見所だと思います。
また本作の大きなテーマとして
僕が感じたのは以下の2点でした。

①男女間の友情(not love)が成立するのか?
②他者依存型の人生でいいのだろうか?

①については華麗に「そんなもんあるかい!」
とでも聞こえてきそうな勢い。
ハンナが友情を超えた愛情を示すことで、
男たちはメロメロになっていく。
②については①と関連してるんですが、
彼女は物理的にも心理的にも
空隙があることに耐えることができず、
自分のことを大切にしてくれ、構ってくれる
男へとコロコロと変えていく。
いずれのケースも主体性を持っているのは
ハンナである点がオモシロかったです。
積極的他者依存とでもいうべきかな?
確かに人といると安心したり、楽しかったりするけど、
他人といる自分に軸足を置いてる状態では
ダメだと思うんですよね〜
とくに3人目の家で向かい合って座ったハンナに
ワイドからのズームで彼女の顔がアップになるシーンは
象徴的だなーと思いました。
ハンナに対して少し辛口になってしまいましたが、
お風呂でのトランペットは心がホッコリしました。
DVDでもいいから、
アメリカのインディー映画を色々見てみたいなと思います。

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