2015年10月3日土曜日

心に龍をちりばめて


なんとなく小説読みたいときに
古本屋で見つけたら買うぐらいの温度で、
白石一文のことが好きです。
はっきり言ってしまえば、どれも似たような話です。
The 日本のサラリーマンが会社のレールにしっかり乗って、
すべてを手に入れたかのように見えるけれど、
その価値観に疑いを持ち、主体的に行動を取り…というもの。
(その主体的な行動は不倫を筆頭にほとんどが恋愛絡み)
じゃあ何で読むねんという話になりますが、
構造は似ていてもディテールの妙があり、
なおかつハッとするパンチラインがあるのが好きなんですね。
取材力なのか本人の経験なのかは分かりませんが、
どの話もリアリティを持っていることが多く、
気付いたらいつも物語にのめり込んでいます。
(僕がサラリーマンだからということもあると思いますが…)
本作は女性が主人公なんですが、起こっていることはいつも通り。
そんな中で本作で一番好きな部分は、
女性に対する偏見や社会的な立場の弱さに対するカウンターです。
美人である主人公が婚約相手の両親にブチ切れるくだりは、
おそらく読んだ人誰もが忘れることはないと思います。
この人も多作家なのでボチボチ読み進めたい次第です。

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