2015年9月28日月曜日

GONIN サーガ



あのGONINの続編が2015年に石井隆監督で?!
という情報を映画秘宝で以前に読んで以来、
そのときから楽しみにしていた作品。
元のGONIBという作品は先輩から
猛pushされて見たんですが、バイオレンス然り、
その鮮やかさと艶やかさに魅了されていたので、
とても楽しみにしていました!
けれど結果的にあの興奮を得ることができず、
何なら残念な感じでもありました。。
思い出したのはキッズリターンの続編
それよりはマシなのは間違いないけど、
これが過去のGONINシリーズと肩を並べるとは
到底言い難いと思います。
メインキャストは東出昌大、桐谷健太、柄本佑、土屋アンナの4人。
東出&桐谷は当時、モックンと根津仁八が殺したヤクザの息子。
柄本は同じくその現場で殺された警官の息子。
土屋は秘められた過去を持つヤクザに囲われた女。
彼は五誠会というヤクザにそれぞれ恨みを抱き、
彼らの資金源である闇金を強盗することになり…というお話。
映画の冒頭、過去のGONINの映像を使って、
これから始まる物語がどういった経緯なのかを
説明するところから始まります。
大きいスクリーンで当時のシーンを見れて、
それだけでテンションはアガる!
ただ、彼らがどういった背景なのかの説明は
とても分かりづらくて中盤でやっと全部分かるレベルで、
初見の人は相当キツい作りになっています。
(前作を直前に見てから行くのを超オススメ!)
父親を殺された彼らはそれぞれ静かな人生を送っているんだけど、
マッポの柄本が事件の真相をDIGし続けていたことで、
物語は急展開していき皆で強盗することになります。
と大まかに端折りましたが、まーここまで長いんですよね。
ショットがかなり独特なので、飽きることはないんですが、
もういいから早く〜という気持ちにはなりました。
しかも強盗に至る経緯は納得しづらいし、
演技が芝居がかった叫び系なのが辛さに拍車をかけてくる。
進撃の巨人といい、邦画のお家芸と化しているのか…
足し引きで抑揚がないと、どこが強調したいのかも
よく分からず映画全体がボンヤリしてくるし良いこと無し。
あと過去作の最大の象徴として、
根津仁八が実はまだ生きてました!という設定があって、
それ自体は悪いとは思わないんですが、
じゃあスナイパー役に竹中直人はダメだろ!と。
ただ、竹中直人のスナイパー役は好きで、
常に酸素ボンベをスーハー吸いながら、
ヨボヨボの足取りなんだけど怖いときは怖い!
(とくにダンパのメールのくだり、めっちゃ好きでした)
強盗したメンバーはそんな彼に追い込まれていく訳ですが、
話の進め方がスマートじゃないんだよなぁ。
それぞれの背景があるのが楽しかった過去作に比べ、
全部が中途半端で僕はどれにも乗り切れないままでした。
後半にかけてよく分からないシーンが増えてきて、
土屋アンナが歌いだしたときには頭を抱えました。。
床下シークエンスも設定自体はオモシロいけど、
それに至る経緯や筋道があまりに納得し辛くて。
このシークエンス含め、
終盤にかけての怒濤の銃撃アクションや
スプリンクラーを使った演出等、
撮影が全編に渡って過酷だったろうことは容易に想像がつきます。
しかし、プロット上の問題点が
すべての苦労を無駄にしてしまっていると思います。
またバイオレンスが凄いといっても、ストーリーを蔑ろにされると、
飾りにしか見えないから、これまたもったいない。
しかも、過去作よりもエグさという点でいうと、
後退してしまっているんだから悲しいですよね。
(これは時代の趨勢なのでどうしようもんないんですけど…)
GONINの続編という素材は極上だったのに、
なんだかなぁな仕上がりだったことに
ただただガッカリして劇場を後にしました。

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