2015年9月26日土曜日

保育園義務教育化



最近メディアでよく見る古市さんの著書。
歯に衣着せぬストレートな意見が目立ちますが、
著書の中では論理的でwitもあり僕はとても好きです。
本書は独身30歳の彼にとって縁遠いと思われる、
子供の保育、教育に関する内容になっています。
正直読むまで他人事かなーと思っていましたが、
多くの人間が当事者になりうる、
「子どもを育てる」ことは社会全体で考えないと
何も解決しないってことがよく分かりました。
「女性が輝く社会」を目指している最近ですが、
保育園不足、少子化など社会保障にまつわる問題は
山積みのまま抜本的な解決策は未だない状況です。
(高齢化社会の話も考えなきゃいけないですよね)
その辺りの現状分析と過去との比較や、
僕たちがボンヤリと認識していることに対して、
データを使いつつ的確に解説してくれています。
今回は得意の脚註はありませんでしたが…
とくになるほどなーと思ったのは、
母乳で 育てたほうが良い、
小さい時は母親といないと育ちが悪くなるといった
「神話」に対するカウンターの部分。
そこに根拠はないにも関わらず、
多くの人が盲目的に信じている現状や社会の同調圧力が
生きにくい雰囲気を醸成してしまっていると思いました。
笑ったのはタイトルにもなっている義務教育化にまつわる話。
義務教育にすれば預ける人の後ろめたさが軽減される
という真っ当な主張のあとにクールビズを例にあげています。

少し前まで日本のサラリーマンたちは
灼熱の夏でもスーツにネクタイをするのが当たり前だった。
それが「クールビズ」という「お上」からの号令によって、
夏の日本には高校生の制服を着たみたいなおじさんが
溢れることになった。

決められる政治というならば、
この辺りを真剣に取り組んでほしいものですが、
多くの議員にとっては票田である高齢者向けの社会保障を
先に拡充していきたいと考えてしまう点も
本著で触れられており、なんだかな〜と思います。
子どもをもつ人にはもちろんオススメですが、
むしろ子どもと縁遠い人に読んでもらって、
親の立場を客観的に把握するという意味でオススメです。

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