2015年9月15日火曜日

キングスマン



キック・アスのマシュー・ボーン監督が、
スパイコミックを映画化ということで見てきました。
過去のスパイ作品(主に007シリーズ)への
リスペクトが込められたメタ作品でありながら、
スパイエンタメとして抜群にオモシロいという、
良きバランスの作品でした。
主人公はエグジーという青年で
彼の父はスパイだったけど、
仲間の命を救ったために戦死してしまっている。
幼くして父を亡くしたエグジーが
ならず者となってしまったところで、
父の同僚だったコリン・ファース演じるハリーに出会い、
スパイ修行を始めるものの…というお話。
007お約束のアヴァンタイトルがあるかと思いきや、
そういったことは特になく、
スノードームにフォーカスしていき
タイトルどーんで映画が始まります。
エグジーは働きもせずフラフラしていて、
母はゴロツキの彼氏と共にボロボロの生活。
そんな中で非行により警察に捕まったあと、
ハリーと出会い運命の歯車が動き出す。
一番始めのバトルがハリーがパブで
不良どもをボコボコにするシーンなんだけど、
ここで心をグッと掴まれました!
イコライザーを彷彿とさせる、
落ち着き払ってからのフルボッコ!
本作のバトルシーンはStop and Go(?)のような、
各瞬間の中に緩急があるような見せ方で
時間が伸縮するようなイメージが好きでした。
そして本作の敵ボスを演じるのは、
サミュエル・L・ジャクソンでIT長者の役。
彼は世界中にタダでSIMカードを配り、
それを使った人口減少大作戦を取り進めようとします。
言わずもがな過度な情報化社会への皮肉でもありつつ、
選民思想全開な敵設定のヤダ味。
そこを打破していくのが労働者階級のエグジー。
つまり、持たざるものが訓練により力を手に入れ、
悪を倒すという好きなタイプの構造でしたね〜
訓練の様子がしっかり入っていて、
水浸しの刑やダイビングの刑、犬育て&殺しの刑など、
どのシーンも見所満載で楽しかったです。
僕が好きなキャラクターはハリーで、
スーツびしっと決めた状態で、
めっちゃ強いのがとにかくかっこ良い!
何よりも教会皆殺しシーンは見たら忘れられないレベルだし、
その皆殺しの対象が南部のキリスト教信者っていう、
笑えっていいのかという強烈なブラックネス。
また、小道具の数々は往年の007を思い出せてくれるし、
「これが映画だったら…」というメタ展開もナイス!
個人的には敵ボスの助手の女の子の
義足カッターがアホっぽくて一番好きだったし、
全体にゴア描写がかなり激しいのも好印象でした。
仇討ち形式でエグジーが敵と戦うんですが、
チップを爆発させるシーンで、
ブルジョワジーの頭がキレイに破裂していくのは
今年一番のカ・イ・カ・ン!
ツッコミ入れようと思えば色々ありそうですが、
それは野暮ってもんだ!と思わされるくらい、
オモシロさが勝っていると思います。
ラストは美女とのランデブーという
007スタイルのエンディングで大団円。
笑えてハラハラできるザ・映画な作品なので
是非たくさんのお客さんと劇場で見て欲しい!

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