2015年3月18日水曜日

毒薬(日本の名随筆)



正月にブックオフで入手した代物。
中島らもが編纂した日本の名だたる作家たちの
「毒」にまつわるエッセイ集。
顔ぶれが超豪華で本人自身はもちろんのこと、
芥川龍之介、坂口安吾、江戸川乱歩、
植草甚一、筒井康隆など挙げればキリがない。
ここまでの説明でヨダレ垂らしている人とは、
友達になれそうな気がします。

毒といっても時代や人によって捉え方が
様々で非常に興味深かったです。
前半は麻薬中心で阿片やヒロポンの体験談、
キメながら本を書いてた話もあったり。
そんな中でも坂口安吾のエッセイはやっぱり強烈。
宗教と麻薬を並列に扱い、中毒性という観点では
何も変わらないと主張しています。こんな風に。

どんな深遠らしい理屈をこねても、
根をただせば同じことで、意思力を失った
人間の敗北の姿であることには変わりはない。

中盤は人を殺す道具としての毒にフォーカス。
とくに中世ヨーロッパで立場の弱い女性が
毒を盛りまくって人を殺しまくってた話が
目から鱗で驚きました。
後半にかけては近代の毒、ドラッグと呼ばれる
類いのLSDやマリファナの話。
フグの毒やアルコールも広い意味の毒として扱われてました。
日本ではタバコ、アルコールぐらいが合法的に
認められているドラッグであり、
危険ドラッグが社会問題になったのも記憶に新しい。
一方でアメリカではマリファナの合法化が進んでいる。
本著でも語られていますが、毒は文化だと思います。
そして色んな毒を服用しないままに体験できる
読書がもっとも危険なドラッグかもしれませんね!

2 件のコメント:

L さんのコメント...

うまいこというね

afro108 さんのコメント...

末は落語家かな〜